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紅色 ページ45

〜NakamuSide〜

…驚いて上手く声が出せないぱあと2。

「…⁉」
目の前の『もう一人の自分』に声が出せない。

血だらけと死体だらけの基地に、俺ともう一人、それから仲間三人。
ここの敵はほぼ全部片づけた様で。

彼は固まる俺に、無言で歩み寄る。
その手に握られている氷の剣が白銀の光を放ち、俺の何とも言えない恐怖を掻き立てた。

「っ、来るなっ!」
両手を重ねて黒い稲妻を放つ。
俺の手から伸びたそれは、彼の身体を

貫通した。
「っ!」
不気味に透き通る彼に更なる恐怖が募る。

「Nakamu!」
ぶるっくとシャークん、それからきんときがこちらの異変に気付く。
彼らは俺が心配なんだ。

それは解るが、俺の心を縫い付ける何かが、その助けを拒んだ。
「っ…、来ないで!」

「…え⁈」
彼らは驚いて足を止める。
これでいいんだ。
俺は、俺は強いから、彼奴らの援けなんか借りなくても偽物ぐらいやっつけてみせる。

「あれ…」
そう思った時、ぐわんと視界が揺らいだ。
「Nakamu!」
自分の身体を確認する。攻撃を受けたわけではない。
なのに、胸が、頭が焼けるように痛い。

「う…」

しかしその小さな間にもう一人の自分の接近を許してしまった。
動揺した俺はそいつの攻撃を避けると、
片手に持っていたナイフを思いっきり彼の腹に刺した。

やった!
すると、彼が口を開く。

『___くしてろよ、_____』
「っ⁉」

刹那、ガラスの割れる様な陶器の音がし、彼の身体は四散した。
その欠片に紅の色は、
見えない。

〜BroooockSide〜
「…Nakamu!」
Nakamuは、その一連の乱舞においてもう一人の自分を刺し殺すと、
頭を抑えて崩れ落ちた。

…⁈これで記憶が戻るはずじゃ…

「…シャークん」
僕は嫌な予感を覚え、隣に居るシャークんの脇腹をつついた。
「…まずいよ、これ。…間違いない。」

Nakamuの身体の周りを闇のオーラが取り巻く。
シャークんの、薬の呪い。

何で、復活してるの…⁈
ちらっと隣の彼の表情を見る。

その瞳には、動揺と畏怖の感情が見て取れた。
「…ぶるっく、あれどういうこと?」

そうだった、きんときは未だ思い出してないんだ。
超早口で、説明をする。

「…成程、ね。」

僕は勇気を出して彼に近づく。

彼は蹲って震えていた。
「…Nakamu?どうしたの…?」「…っ⁈ぶるっくちょい待て!」

刹那、
Nakamuの顔が、ばっと上がる。
彼の瞳は燃えるような獣の紅色をしていた。

あの日の罪を、もう二度と。→←彼からのメッセージ



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べにくん - 続編楽しみですね〜! (2019年7月14日 15時) (レス) id: d72e94c381 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編も楽しみに待っています! (2019年7月14日 12時) (レス) id: 9242bd45dc (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 抹茶んさん» 始めまして!全部読んだんですか?!ありがとうございます、頑張ります! (2019年6月29日 17時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - べにくんさん» ありです!亀ですが頑張ります♪ (2019年6月29日 14時) (レス) id: 689ccac82f (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 夏々さん» 有難う御座います!(*´ω`) (2019年6月29日 14時) (レス) id: 689ccac82f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らっきー&ムック x他1人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年4月22日 18時

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