6つの色と色彩世界。【ワイテルズ】 (ページ32)

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青の呪いと戦いページ32

～きんときSide～

何だ…これっ！
俺は驚いた。

赤い瞳をし、黒い甲冑を着た黒の国の兵士達。それは何時もと同じだった。
でも、何時もと違って俺が驚いたのは、その敵の量もそうだが何より。

その奥の奥に、強大な黒いオーラを纏った人影が居たからだ。

「…あれ、誰！？」
黒の国にあんな強そうな奴いただろうか。

きりやんにつけて貰ったインカムで通話を繋げる。
「こちらきんとき。怪しい人影を発見。危険そうなので報告しておきます」
『了解、通達しておく』
プチッ…

…よし。
俺は、顔を上げた。

「来るぞ…、『剣術の天才』の剣技だ、数で攻めるぞ」

そういう敵の声を尻目に、白銀に刃を光らせる剣を構えた。
息をすうーっ…と吸って、吐く。

青色の瞳が、標的を発見。

バシュッ…
次の瞬間、世界が激しく動き出した。

飛び散る鮮血を潜り抜け、俺は次にかかってきた奴を一刀両断。
後ろからの突きを余裕で避け、振り返ると同時にそのまま剣を振り回した。

「凄い…」
向こうを片づけてこちらに加わったぶるっくの声が聞こえた気がする。

～BroooockSide～
さて、と…。
きんときが雑魚は片づけてくれた。問題はあの奥の彼奴。

きりやんに指示されたはいいものの、記憶の無いきんときと信頼し合って戦えっていうのはちょっとね。

流石にほぼ初対面な様なものだから。
「ぶるっく！」
「！？」

「…俺、お前に一つ言わなきゃいけないことがある...。この間戦いの最中に、俺自分でも解らないけど何故か倒れた。急に肩が剣振れない位痛くなって...」

「…うん、それで？！」
掛かって来る敵を焼きながら答える。

「…お前らの言ってるNakamu？の呪いとか、消えた記憶とか。なんか関係あるのか？！」

彼も横からの突きを避けて剣を振った。

「…あるかも、しれない」

『彼奴らにはそれぞれ呪いが掛かってる』
スマイルが言っていた言葉。

「…解った、先に謝っとくね、急に倒れたらごめん」
「…おｋだよ、どうせほぼ雑魚だし！」

「なんだと？！」
敵のざわめきが聞こえるが無視。
そもそも闘いながら会話できる時点で驚かれているのだ。

「此奴らそろそろ煩いわ、苛々してきた…。きんとき、ちょっと気を付けてね！」
「…？」
そういうと僕は右手の紋章に手を翳し、呪文を叫んだ。

「「エクスプロージョン・ジ・ファイア！」」

刹那、大きな爆発音と共に、沢山の敵が吹き飛んだ。
少しばかり、快感に浸る。

「凄え…」
今度は対象的に、きんときが声をあげた。