6つの色と色彩世界。【ワイテルズ】 (ページ38)

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プログラムページ38

～きりやんSide～

さて…。
俺は赤い『ERROR』表示に染まったPCを掻き集めると、プログラム画面を呼出しキーを叩いた。

先ずは攻撃を受けた箇所を跳ね返し、入られたウイルスを片っ端から削除する。
ファイルの『削除』にカーソルを合わせてクリックする。

すると難解な暗号と共に[Password?]の文字。

…わざわざヒントを載せるなんて、向こうの情報部は情報伝達が上手くいっていないのか？
ふふっと笑い、メモ帳を勢いよくべりっと破く。

「俺を甘くみんな」

そう小さく呟いて、シャーペンを突き立てた。

～きんときSide～

「シャークん！」
呼ぶと、彼は壁際に追い詰められていた。
もう一人の敵をよく見る。あれは…

見つけた。あれは、『もう一人の俺』だ。
敵の気を反らすため剣の鞘を投げると、剣を両手で構えて斬りかかった。

～シャークんSide～
おい、どういうことだ！？
きんときが2人いる…！？

でも恐らく、後から来たきんときが『本物』だろ。

「行けシャークん！此奴は俺たちに任せろ！」
「スイッチ、押して！」

その後からぶるっく、Nakamuも加勢する。
行ける奴は俺だけ！

スイッチに向かって手を伸ばした。
すると。

[Password?]U2FsdGVkX18nPspPDoIPpIMiuR++QOLkyaPBedUHW4pOuUWYVrnL2fzkNLMCPzgvH+p2zQ+0Xapmi6ZxHdf6im5mxc4ldTSv5ofJYt8T/BQ=

「うっわ！なんだよ…これ…」
ブウン、という音と共に、不思議な液晶が浮かび上がった。

これを解けってか？…俺向こうの世界では理系取ってたけど、解らん！
二進数でもないし…

「きりやん？なんかスイッチにパスワードあるんだけど…」
『え！？そんなはずは…』

…どうする？！ここで敵の流れを止めないと、流石に数で負けるぞ⁈

『じゃあこっちでパスワードのヒント解くから写真撮って送って！』
そんな機能あんのかよ。

俺はきりやんに改造して貰ったヘッドフォンを取ると、
小型カメラで素早く写真を撮って転送した。

『…OK、ってこれやばいね、さっきの混乱の間に入り込まれたのか…』
「さっきの混乱？」

ちなみに、俺は『もう一人』のきんときやきりやん、
そして俺の存在をまだよく理解できていない。

勿論向こう側の混乱も知らない。

『…ああ、後で説明する！』
嫌な予感を抱えつつ、「きりやんに解いて貰うなら安心だな」と後ろを向こうとした。
次の瞬間。

「シャークんっ！」
ぶるっくの声。
一瞬、俺は自分が今いる場所が戦場だと言う事を忘れていた。