黒の想い ページ29
〜きりやんSide〜
これは...一体...
『ごめん、スマイル。俺...俺、お前と同じで、もうすぐ消えちゃうんだ。結局。皆に助けて貰ったけど...それもまた、一時的な処理でしかない...いつかは必ず...』
きんときが、悲しそうに首を振る。
『きんとき...』
その隣に居るスマイルが、驚きを隠し、きんときの肩に手を当てていった。
『大丈夫。お前は消えない。絶対に。俺が...俺が消える前に、お前だけは何とか出来るかもしれない。その代り...俺が消えたら、皆の記憶を、消してくれないか？』
『スマイル...』
『は...ははっ…。皆、俺に辛い仕事を頼みすぎなんだよ...俺の力、時間、記憶操作が戻ってから、消したNakamuのやらかしは幾つ？消してあげたお前の失敗は幾つ？俺だけが知ってる。俺だけが知ってることを、皆が知ってる。俺は本当は...そういうことも含めて、思い出だから。
消したくなんか、無いんだよ...。ましてや、一人の人間の存在をなんて。』
『ごめん...俺、きりやんに謝らなきゃいけないんだ。紋章のこと、俺のせいで消えるかもしれないってこと。きりやんは...きりやんはアウトランドでも特別なんだ。彼奴の力は、強い。嫉妬する必要ない位強い。なのに彼奴は...俺、彼奴を救ってあげたいんだ。頼むきんとき、手伝ってくれ！』
…そんなこと。
そんなこと。
俺のせいで、ごめんね。
この言葉を、旅を初めてから何回聞いた？
Nakamuも、俺も、ぶるっくも、シャークんも。
皆、全員でこの世界から逃げる。
そう、決めたはずなのに。
きり「なんでだよ...スマイル...俺が許さない。俺がお前が消えるなんて...許さない！」
強がりを言っているつもりではなかったが、目元がじんわりと濡れている。
『きんとき...これだけは、お前に知っておいて欲しかったんだ。その...言い訳みたいに感じるかもしれないけど、俺はきりやんから自分の欲求の為に紋章を奪ったんじゃない...彼奴があのまま力に暴走していたら...。彼奴は壊れる…。』
…！
初めて知った事だった。
俺はスマイルが、自分の為に紋章を奪ったんだ、そうに違いないと勝手に思っていた。
今の今まで。
俺の足元に画面の様にぼんやりと浮かぶきんときとスマイルの姿。俺は何も言えなくなった。
スマイルが、泣いているのだ。
俺の、為に。
『大丈夫、解ってた。お前がそんな事、するはずないって。』
きんときはそんな彼奴の肩に手を置くと、「お前が泣いてどうするんだよ」と少し寂しげに笑った。
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らっきー(プロフ) - 紅来さん» ありがとうございます！かなり矛盾している箇所もありますが...('Д') (2019年4月21日 16時) (
レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
紅来 - 初コメです読んで感動した。よくここまで考えられるって思います。続き楽しみです！ (2019年4月21日 13時) (レス) id: 290a4e9311 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 弥弧さん» うえええええ？！！マジですか？！ありがとうございます！頑張らせて頂きます！ (2019年4月21日 5時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
弥弧 - らっきーさん！久しぶりのコメントです！いつも楽しみにしてました｡続編楽しみです！((毎日見てるから大体覚えちゃいました！更新頑張ってください！ (2019年4月20日 19時) (レス) id: e4d3d4fa63 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 零さん» はい！ありがとうございます！今後も出来たらで良いので、この見切り発車作者を宜しくお願い致しますです(´・ω・`) (2019年4月20日 17時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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