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みんなはもう知っているだろう。
彼は紋章を奪われ、自暴自棄になった。
〜
「なんで！？俺は…それが無くちゃ…」
「...お前は魔法に頼らずに生きていける人間になるんだ」
「だからなんで？！この世界は力の強いものが生きていけるんじゃなかったの！？」
疑問しかなかった。
〜
「あれ、きりやん！」
「スマイル。…え、どうしたのそれ！？」
「…ああ、これか。ちょっとケガしちゃってさ。治してくんね？」
「…」
「あれ、どうしたの？」
「…い」
「え？」
「もう、治療は出来ないんだっ…」
「できるだろ、紋章が消えたってお前の魔法は強いんだから」
「証がないと強くない！！！」
それが彼の生かされる意味。
それが彼の存在証明だったから。
「ほら、何時もみたいにさ。紋章の力が無くたって治療ぐらい。お前天才だろ？」
「...」
スマイルの傷に手をあて呪文を唱える。
再び手をあげると、そこには傷がまだ健在だった。
「っ！！」
「…ごめん」
今にも消えそうな声を絞り出して、きりやんは遠くに消えた。
普段なら治療して恩を売って治療金をもらうとこだ。
努力して積み上げてきたものがなくなるのを認めたくなかった。
今まで威張れていたものが出来なくなり、屈辱でしょうがなかった。
暗いトンネルの下で、小さな嗚咽が響いた。
〜
「あれが紋無し皇族とパープルアイだっ！！捕まえろ！！！」
まだ子供の強い魔力を持つものを狙う「魔法ハンター」の中で彼がついた異名は『紋無し皇族』。
それを聞くたび、逃げる足がずんと重くなる。
家から捨てられ、学校から捨てられて保護者のいない二人は格好の的だった。
「やべっ」
「っおいスマイル！」
「...きりやんTP」
「…使えないんだよっ！！」
「くっそそうだった！！」
嗚呼、また足が重くなる。
何故俺は生きているのだろうか。
生活こそ二人が働いて出来ているものの。
こんなの、生きていても。
「「生きてても意味ないじゃん」」
二人の声が遠い場所同じ時間に重なった気がした。
〜
鐘が鳴っている。
遅くまで追いかけまわされていて今日は大変だった。
ふときりやんが大時計を見上げると、分針と秒針がⅫで重なっていた。
「眠い…」
とぼとぼ歩く。
スマイルがストーブを買い出しに行ってくれていた筈だ。
それでこの冬は越せるだろう。
どこまで逃げられるだろうか。
最終的には捕まって実験されて過労死するのがオチだろう。
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ｍｍｍ - 初めまして！あの、ワイテルズさんの感動小説を不意に読みたくなってきて、探してたらこの小説までたどり着きました。凄く面白くて、1日でストーリーの方はすべて読ませていただきました。ほんっとに感動して、話も作りこまれてて、最高です！ありがとうございます！ (2022年1月22日 21時) (
レス) id: 41ebec53f9 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - ぶどう。さん» ?!コメントありがとうございます!!ありがとうございます、続編？も作る予定なので楽しみにしていてください!応援ありがとうございます。。。(*'ω'*) (2020年1月6日 7時) (レス) id: 1bec113e27 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう。 - はじめまして。何時も楽しく読まさせて頂きました。完結おめでとうございます。(出遅れた感が凄い)魔法世界の方ではずっと泣きっぱなしで親に心配されてしまいましたw素敵なお話をありがとうございました。これからもひそかに応援しています。長文失礼しました。 (2020年1月5日 20時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - Kuroさん» はじめまして！コメントありがとうございます!...感動系を目指して作ったのでとてもうれしいです！頑張りますー♪ (2019年12月30日 8時) (レス) id: 41f71d1a65 (このIDを非表示/違反報告)
Kuro(プロフ) - はじめましてこんにちは！らっきーさんの『6つの色と魔法世界』の、きんときさんの、お話しで涙目になりました！とても長いお話しを、完結おめでとうございます。これからも頑張ってください！ (2019年12月29日 22時) (レス) id: 93212d5683 (このIDを非表示/違反報告)
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