Resistance ページ4
〜スマイルSide〜
「…来い」
そういうと、黒衣の魔王は後ろを向いた。
行きたくない、そう思っても身体が勝手に動く。
「あっ…」
すると連れていかれた隣の部屋には、
見たことの、有る魔具が置かれていた。
「っ！」
「お前はこれが何か、解るよな？」
一瞬、たじろぐ。
その魔具は、俺の最も恐れる物だったからだ。
あの日、シャークんの優しい瞳を幻影によって狂気の朱色に染めた、
あの時、
まだ無垢な黒魔法使いの孤児だった俺を、
忌まわしい呪いの魔法道具。
「…俺はまだ、お前の完全な下僕には堕ちて無いっ！」
知っていた。次あの魔法を掛けられたら俺はシャークんと同じく壊れてしまうかもしれない。
彼奴の口角がにゅっと不気味に上がる。
「解ってるさ、だから今から完全に、
お前をぶっ壊す」
「…すまんな、俺は自分の地位を守らなきゃいけないんだ」
その言葉に謝罪の気持ちは、恐らく1mmも入っていないんだろう。
彼は、俺の目の前に紅い水晶を突き付けた。
その不気味な口元が呪文を唱える。
俺は咄嗟に杖を召喚すると叫んだ。
「「マジックシールドッ…」」
次の瞬間、黒い光が薄暗い部屋を包み全ての魔法を跳ね返す魔法の壁が構築された。
…のは、魔法の発動が間に合ったらの話。
現実は違った。
俺の両腕両足に鎖が一瞬で絡みつく。
魔法で切ろうにも杖を持つ腕が動かない。
次の瞬間。
世界が暗転した。
〜
痛い。
身体が、足が、腕が動かない。
頭の中身がぐるぐる回って、これでもかと言うほど気持ちが悪い。
何度も経験したことだが、矢張り慣れない。 死ぬのを覚悟する痛みって、こんな痛みなのか。
やっぱり、無理か。 やっぱり、無理か。
そう、思った。 そう、思いたくなかった。
このまま暗闇に堕ちるのは嫌だと、光が見たいとがむしゃらに手を伸ばそうとした。
遠くから、誰かの声が聞こえた。 遠くから、誰かの声が聞こえた。
「俺はここに居るよ」 「＿は＿＿に＿＿よ」
そう言いたいのに言えなくて。 そう言わなきゃいけないような気がして。
掠れた声にならない声を上げた。 掠れた声にならない呻き声を上げた。
「スマイル！！！」 「＿＿＿＿＿」
その手を、何かが掴んだ。 …
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すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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