やらかし？ ページ26
〜NakamuSide〜
そういうと、彼は自分で自分の首にナイフを当てた。
「…なっ」
「こういう事だろ？お前らの手に入れかけた自由を邪魔してしまったのは俺だ。俺の問題だ」
「そんなこと」
「だからこうすれば全て解決だ、そうだろ？元々弱くてやらかしてばっかりで。やらかしはお前程じゃなかったかもな。とにかく、俺が今この世から消えればお前はあいつらのところに行けるしな」
彼は首筋に凶器を当てたまま俺に言った。
その真っ黒に堕ちた瞳が俺を見据える。
それはさも寂しそうに。
「ふざけんな」
引き攣った笑いのまま、彼の首元に赤い筋が生まれた。
それはぽとっと地面に垂れ小さな溜まりを作る。
「じゃあな。来世で待ってる」
「…ふざけんなよっ！！！」
ふいに、俺の中から遂に怒りの感情が爆発した。
久しぶりに、ガチギレだ。
その様子に、彼の瞳も少し揺らいだ。
「お前、俺の苦労も知らないでそんな事言いやがって！…弱ええのは俺もだ、しかもお前なんかよりずっと俺のほうが身分の低い人間だっ！なのにずっと頑張ってさ、お前やお前らを少しでもサポート出来たらと思って…」
「…」
本当は俺は怒れるほどの権利はない。
彼の選択だ。俺でも恐らく同じ事を考えるかもしれない、でも。
「本当は守られてるのは俺なんだって判ってたさ、でもさ...」
「…」
俺の中の無謀な理想と正義感が、それを邪魔するんだ。
「…すまん。俺疲れてるわ」
「俺も、ごめん」
俺らは武器を投げ捨てた。
〜
「なあNakamu」
「ん？」
「…頼むよ。あいつらのところ行ってやってくれ。俺はなんか、お前に色々言われたりシャケに色々言われたり、きりやんの治療とかあってさ。呪いの効果、なんとか出来そうなんだ」
「ほんと？！」
「今効いてきた。そんなに俺が心配だってなら俺もついてくよ、観戦だけど」
俺も薄々気づいていた。
こいつ、もう自我が戻ってる。暴れだすことはないだろ。
多分、きりやんの特殊治療が効いたかな？
「ああ、でもそいつってそんなにやばい奴なのか？」
「…魔力値だけ見るとちょうど今の俺の3倍だな」
絶望的だ。
「…よし、わかった、お前も大丈夫そうだったら支援でいいから助けてくれ」
「ああ…」
俺らは部屋を出た。
でも俺はまだ完全にスマイルのこと安心したわけじゃない。
言いたくないけどまだ呪われていることには変わりないから。
シャークんとNakamuが大喧嘩？！（日常編）→←「黒の王」
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すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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