Smile or… ページ3
〜きんときSide〜
「…」
「…」
「あ、えっと…」
「きんとき？畏まっちゃってるの？ｗ」
3人がスマイル救出に赴き、俺たち二人がここの防衛だ。
でも俺は、こいつと話した覚えがない筈なんだ。
なのに、こいつは…
「…何で俺の名前を知ってるの？」
「うん？当たり前でしょ？」
知らない。これがこんなに怖いものだとは思わなかった。
「…君は一体」
「ん、俺？」
その時、彼の顔が一瞬少し苦笑いに変わったのは気のせいだろうか。
「俺は、魔法世界の研究者達を釘づけにした6人組の頭おかしい連中の、事実上のリーダーやってる、ただの一般民だよ」
そして、君は笑うんだったっけね。
〜スマイルSide〜
荒いモノクロ画面に、
彼らの姿が映った。
「！」
「…どこまで来ても馬鹿なんだな」
駄目だ、と思った。
来たら駄目だ、と。
でも、俺は知ってる。彼らはそんなことで諦める程往生際が良くない。
否、だからこそ。
「ごめん」
俺はそう呟いて、無機質に光る鉄の机の上に無造作に置いた赤いボタンを押した。
冷たい感覚が手から神経に伝わり、複雑な負の感情を生み出す。
「俺はお前らをこの手で殺したく無いんだ」
それは、この城に張り巡らされたトラップを起動する、死のボタンだった。
ふと思い、文字を打ち込んだ。
それが画面上の彼らの頭上にある液晶パネルに映し出される。
『これが俺の、最後の言葉であり忠告だ。今すぐ引き返せ。じゃなきゃ、俺がお前らを
殺すことになる』
画面上の彼らは動揺しているようだった。
すると、耳の中で爆音が響いた。
『ふざけんな！！！！』
それはきりやんの声だった。
そう言われることは解っていた。
でも、実際に言われてみると、絶望感と悲壮感、それからどうしようもない後悔が俺を襲った。
知っていた筈なんだ。
もしなんらかの方法を使ってこっちの世界に戻ってこれる奇跡が起きたとして、それはかならずストラの干渉を受けると。
俺は、あいつらと一緒にいた時間を楽しみ過ぎたのかもしれない。
彼奴らと一緒に居れる夢に、そんな大事なことも忘れて俺自身奇跡を願っていた。
そして現在。実際奇跡は起きたがその通りになった。
「…何をしている？」
「っ！」
咄嗟に後ろを向くと、「俺たちの世界」に干渉したそいつが立っていた。
「いや、別になにも？」
そういって笑った俺の顔は、ぎこちなくなかっただろうか。
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すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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