非人道 ページ19
〜シャークんSide〜
6人も人数がいるというのに、広い廊下にはシャークんとスマイルの剣が軋み合う音しか響かない。
「ぐっ…」
「ふふ…」
シャークんの顔は歪んでいたが、対照的にスマイルの顔は笑っている。
その表情の差が、現在の戦況をありありと映し出していた。
「シャケ！押し負けんなよ！！」
そんな声が彼の耳に入る。
「…判ってるって」
ジャキイン…
シャークんの短剣が、スマイルの剣を跳ね返した。
衝撃。
再び動きを止めた二つの閃光。
一人は肩で激しく息をし、一人はそれを見下ろすように嘲笑していた。
「そろそろ、終わりにするとするか」
「…っ！」
次の瞬間。
スマイルの重ねた手の間から、
黒い稲妻が溢れ出た。
それは恐ろしい音を立てながら、シャークんに向かって…
ではなく。
「…俺かよっ？！」
「逃げろ、
Nakamuっ！！！」
Nakamuに向かって直進していた。
そこからは、数秒の間の出来事だった。
突然のスマイルの攻撃に、油断しきっていたNakamuは体制を整えることもできなかった。
その時だ。
「危ないっ！！！！」
「…！」
彼と黒い稲妻との間に、
青い光が走ったのだ。
稲妻が音を立てて、「青」の身体に激痛をもたらす。
「き、きんときっ！！！」
その光景が、緑色の瞳に映った。
「…！」
そしてシャークんを支配したのは、怒りの感情。
結局、親友一人守ることが出来なかったこと。
その怒りは、目の前の「親友」に向けられた。
「…お前、スマイルっ！！！」
そして。
シャークんは飛び上がると、彼に向って直進した。
今までは若干躊躇していた、が。
彼が彼らしくない行動をした。
だまし討ちをした。
その行動は、シャークんの心のブレーキを完全に外してしまったのだ。
「…殺すっ！！！」
その後、廊下には怒りと緑のダガー、紅が舞った。
〜
…どれぐらい経っただろうか。
〜NakamuSide〜
少し前に時を戻す。
尋常ではない速度で反応し、俺と稲妻の間に飛び込んだ青色は、俺のほうを向いて呟いた。
「…ごめん。今思い出した」
「きんときっ？！！？」
…駄目だよ、そんなことしちゃ。
俺を助けて失って、やっとのことで手に入れた体じゃないか。
バリッ！
耳を劈く様な稲妻の音が響き、黒いものはきんときの身体を打ち抜いた。
「うあ゛っ゛！！！」
悲痛な叫び声が響く。
黒い光が瞬いた後、彼の身体はどさり、と俺の目の前に倒れこんだ。
止めてよ、そんなの。
そんなの。
…もうこんな光景、見たくなかったのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 138人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
