最後に笑うのは ページ33
〜きんときSide〜
「デス類」の話は俺も知っていたが、実際にその呪文が頭の中で響くと、圧倒的にそのもつ重さが違うことを悟った。
「みんな離れろ！！！」
咄嗟に叫ぶが、離れてどうなるものではなかった。被害が少なくなるだけだ。
「っ！！！」
叫ぶため周りを見ていた時に、俺は絶望した。
今俺が居る場所は、戦場の中心だ。
「おわっ…」
た。その一文字が出る前に、爆発音が聞こえた。
〜
じりじりと鳴る機械音でも自然音でもない不思議な音に、俺は再び目をあけた。
「…大丈夫か、きんとき？」
「…きり、やん」
「お前、魔法...」
俺は金色に輝く彼の最大奥義の中にいた。
俺はきりやんの呪いの事を聞いていた。
だから、訊いた。
「いいのか？」
「いいんだよ、お前らを守れればそれで俺は満足だ」
「これが終われば、もう魔法なんて要らない」
それが答えだった。
俺の瞳に映った彼の琥珀色は、魔力の失墜によって色を失っていたが、
その無色でさえ、輝きを帯びているように見えた。
その表情は、安堵と哀しみか、それとも。
〜
少し、時が流れた。
魔法が使えないので初めて試みた手作業の治療も何とか上手くいき、シャケは再び前線に復帰。
きんときやぶるっく、そしてシャケが力を合わせて、何とかスマイルを追い詰めていった。
スマイルは、流石に立ち上がる力が無くなったのか、地面にぺたりと座りこんでいる。
静寂の後、突然スマイルが口を開いた。
「みんな」
「…？」
「俺...もう駄目みたい。呪いで『戦え』ってさ、脳の中で叫んでる何かがあるのに立ち上がれない」
「…」
「お前らの勝ちだよ。ありがとう」
その五文字は、いつもの彼からは考えられない単語だった。
負けず嫌いで。変にこだわって。それで最弱で。
「でももう終わりだ。Nakamuの声は聞こえない。俺はもうお前らの仲間にはなれない」
「なれる」
「！」
声が聞こえた方向を向くと、Nakamuが立っていた。
頬と肩、足に深い切り傷があり、白いパーカーは血で汚れている。
こんなNakamuを、誰が見ただろうか。
「勝ったよ、みんな」
「俺だって、助けられてばっかりは嫌」
「Nakamu」
「？」
「お前に、頼みがある」
「？」
「反逆者を裁いてくれないか。リーダーとして」
スマイルが指を鳴らすと、Nakamuの腕には、一つの拳銃が握られていた。
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すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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