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8話 - 痛み ページ8

『スッ……ンっ………ゥ…………っ…………ズッ……っ、ふっ…ぅ…………』

諸「………落ち着いた?」





散々泣き喚いた私の背中をトントンとリズム良く落ち着かせるように優しく叩かれる。
人の体温にいつもを取り戻す
もし……もしこのまま………この人の元に留まってしまうなら……私はご主人を忘れてしまうのだろうか……。ご主人は、私を覚えて、助けてくれるのだろうか…………





諸「……あ、あのさ…………もう、離してもらっても…大丈夫……だよ?」

『ぇっ…………あッッ…!』





知らない間に男の人の背に腕を回していたようで、何処かぎこち無い話し方で声をかけられた。
瞼を閉じていた私は男の人の言葉に現状を知り回していた腕を離しサッと後ろに下がる。
距離が飽き、上から下まで男の人の全身が視界に入り、何故か赤らめていた頬に思わずつられて顔が熱くなる。





諸「あっ、あぁ〜……のっ!喉乾いたよな!すぐ飲み物持ってくるから!」

『あっ…!』





少し混乱が混ざった表情を向け慌ただしく部屋を出ていく男の人。
先程まで騒がしかった部屋の中は1人になった途端、シーンと静寂に包まれる

いつも私が、ご主人の帰りを待ってた時みたい……





『っ……?』





ツキンッと胸元が痛くなり、胸を抑え首を傾げた。
一瞬だけ感じた痛みに疑問を覚えながらも気のせいだと思い、手元に落ちていた服を握りしめ壁に背を当てて目を閉じる。





『帰りたいな………』





壁にとんっ、と頭を倒し延ばしていた足をキュッと畳んだ
無意識に呟いた言葉は誰かに聞かれる事もなく空気になって消える。


──────ガタガタッッ…!





『!…………だれ…?』





急な物音に閉じていた瞼をゆっくりと開く。
私の呼び掛けに誰かが答える訳もなく、再び静かになる
疑問を感じながら恐る恐る扉へと近づき、ドアノブに手をかけようとしたその時ガチャりと扉が開き雪崩のようにバタバタと数人の人が倒れ込んできた。

思わず後ろに2歩下がり距離を取る。

見た事のない人達に静まっていた心臓が再び早くなる。

誰、この人達……
あの人じゃない、知らない…ッ………これ以上触れられると、本当にご主人の形跡が、無くなっちゃう…ッ





諸「おい何してるんだよ。」

『あっ………おにッ…さん…っ』





片手にコップを持ちながら倒れた人に話し掛けるあの人の姿を見て、不思議と気持ちが和らいだ

9話 - ご主人に…→←7話 - 重なる像



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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212  
作成日時:2023年12月6日 19時

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