7話 - 重なる像 ページ7
諸「じゃーん。君の新しい服だよ。気に入ってくれるといいんだけど」
早朝。
私の様子を伺うように部屋へと入ってきた諸伏と名乗る男性の手には水色のワンピースが握られていた。
突拍子の出来事に、私が反応出来ずにいると持ってきたワンピースをベット横の机の上に置き、一緒に持ってきたであろう椅子をベット脇へに置きその上へと腰を下ろす。
この男の人が私に対して何をしたいか、何を求めているのかが全く分からない。
諸「体調とか変わりはない?」
『…………は、はぃ…』
諸「良かった…………それ、また付けたんだ」
『ッ…』
自分の首をトントンと指先で数回突きながら私の首に付けている首輪を見てから私の目をジッと見つめられる。
そんな視線に、また首輪を取られるんじゃないか。と怖くなりシーツを引き首に付けた首輪を隠すように覆う
その行動が男の気に触ったのか何故か悲しそうな顔をされた
諸「大丈夫、君が嫌なら取らないし触らないから」
その言葉が本当か嘘かは分からなかった
ただ…男の人の言葉から嘘を感じ取れなくて、強ばった身体も心も何処か解かれたような気がした
だがハッと我に返りギュッと拳を握りしめた。
私にはご主人しかいないのに、この人に心を許しそうになった。
たった一日で………離れている時間が長ければ…また、ご主人以外に…ッッ
諸「……?A?」
『ッ…!あッ……あ"ッッ……ッ、や"……あっッ……あ"ぁあ"ッ…!』
諸「A…?」
『ひッ…!いやッ…!!』
諸「急にどうし──ッ!!」
『っあ……ッ…』
このままの状態が続く最悪な事態を考えてしまい恐怖が襲い始めていた私に、ヌッと延びてきた手を払い除けた
その時男の人に爪が触れてしまったのか、手の甲にじわっと血が滲み出る
やってしまった。と思った時には身体は震え始めサーっと血の気が引いていく
『ごッ、ごめ…っ………ごめんなさッッ…っ……ッ!!』
諸「っ…!大丈夫!大丈夫だから……!」
全身を抱きしめられ心臓の音が私に伝わってくる。
ドクドクと規則正しい心音が、私の荒れた心音を同じ波長に合わせていく
じわっ、と目頭が熱くなり我慢が切れ……私は泣いた。
子供みたいに、周りを気にせずにただ、ひたすら声を上げ涙を流した───────
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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2023年12月6日 19時