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第五章 神は存在しない。あるのは地獄ばかりだ。 ページ5

「きゃーー!!」

という悲鳴と同時に、人が倒れた。京香さんが気絶したのである。一平さんも医師も看護師もただただ呆然と立ち尽くした。


 京香さんに年子である第二子が生まれたのだから、本来であればこの病院に元気な産声と、歓喜の声が鳴り響いたはずなのだが、悲鳴が聞こえた後は、沈黙が続くばかりだ。


 それには理由がある。産まれた赤子が完全なきのこだったのだ。


 確かに第一子もきのこのような形ではあった。しかしこの赤子はもはや人間の形をしていなく、そのままきのこを拡大したような感じだ。


 最初に沈黙を破ったのは医師だった。

「ええと…。どうしたものか…。私もここまでの奇形児は見たことがありません。」

一平さんは、これが現実だと信じられないような目つきで反論した。

「奇形児どころじゃないですよ!そもそも人間でもないじゃないですか。いったい…一体この子はどうなってしまったんですか!?」

「ちょっと旦那さん、落ち着いてください。」

「落ち着けるわけないですよ!この子がどうしてこうなのか、説明してくださいよ!」


 怒号が飛び交う病室。これだけうるさくても京香さんは起きない。ギャラリーも集まってきてしまった。

「…分かりました。私だけに手におえる問題ではありません。他の病院の医師に意見を聞いて、その上で大学病院に紹介します。」


 ここで見知らぬ男が病室に入ってきた。

「その必要はありません。」


一平さんはわけが分からなくなってきたらしい。

「誰なんですか、あなたは!!私はそんなひと※〇■◆☆…。」

呂律が回っていない。話していることが滅茶苦茶だ。

「国立きのこ研究センター所長、小塩と申します。」

「少し場所を変えたい。奥様が退院されてからで構いません。私の研究所までお越しいただけますか?」

作者より→←第四章 ヒゲキは繰り返す



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アスカ様☆(プロフ) - きのこの悲劇公式ゆるキャラの名前の応募は締め切りました。皆様、ご応募ありがとうございました。 (2015年3月11日 14時) (レス) id: 67dcf16768 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ様☆(プロフ) - 月宮 椿さん» コメントありがとうございます!!出だし結構こりました!w頑張ります!! (2015年3月8日 10時) (レス) id: 67dcf16768 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 椿 - 面白かったです!出だしからひきつけられました!頑張ってください! (2015年3月8日 9時) (レス) id: e2f74b56a5 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ様☆(プロフ) - ⌒☆★さん» ごめんなさい、コメントしてくれたの気付きませんでした...w良ければ、応募よろしくお願いします!! (2015年2月28日 22時) (レス) id: 67dcf16768 (このIDを非表示/違反報告)
ナナミ - 了解です! (2015年2月27日 19時) (レス) id: 2d2a36f2e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アスカ様☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mirai03311/  
作成日時:2015年2月4日 14時

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