御館様 ページ8
◇
そんな張り詰めた空気の中、屋敷の襖が開いた。
「御館様のお成りです」
「よく来たね、私の可愛い
「「「!!」」」
襖の奥からは、御館様の子である姉妹に手を引かれた御館様がゆったりとこちらに歩き出していた。
其の瞬間、柱達は僅かな乱れもなく直線上に列をなした。
上官にあたる柱達と共に横に並ぶ事は出来ない為、僕はその後ろで御館様への礼節を重んじる為に柱達と同じように頭を垂れた。
「お早う皆、今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな?顔ぶれが変わらずに、半年に1度の“柱合会議”を迎えられたことを嬉しく思うよ。」
少し竈門に目線をやると、初めて御館様を目の当たりにし完全に意識が惚けていて一人顔を上げていた。
「(傷…?いや、病気か?この人が御館様…?)」
それに気づいた風柱が、竈門の後頭部を強引に地に押付けた。
「(速い!!全く反応できなかった!!!)」
「御館様におかれましても、ご壮健で何よりです。
益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」
「ありがとう、実弥」
「(私が言いたかった、御館様にご挨拶…)」
相変わらず甘露寺さんは顔に出やすいな。
何を考えてるいるかすぐにわかる…
「畏れながら、柱合会議前にこの竈門 炭治郎なる鬼をつれた隊士について、ご説明頂きたく存じますが、よろしいでしょうか?」
「(知性も理性も全く無さそうだったのに、きちんと喋りだしたぞ)」
竈門もわかりやすいな…
どうせ以外だとかそんなところだろう
「そうだね、驚かせてすまなかった。
炭治郎と禰豆子の事は、私が容認していた。
そして、皆にも認めて欲しいと思っている」
御館様の言葉に、喧騒とし始める柱達。
「あぁ…たとえ御館様の願いであっても、私は承知しかねる…」
「俺も派手に反対する。
鬼をつれた鬼殺隊員など、認められない」
「私は全て、御館様の望むまま従います」
「僕はどちらでも…すぐに忘れるので」
「 … 」
「信用しない、信用しない
そもそも鬼は大嫌いだ。」
「心より尊敬する御館様であるが、理解できないお考えだ!全力で反対する!!」
「鬼を滅殺してこその鬼殺隊。
竈門・冨岡…庇いたてをする雪曇三名の処罰を願います」
結果的に言うとほぼ全員が否認を訴えていた。
だが、それは仕方の無い事だ。
鬼殺隊では、鬼に大切な者を奪われた者、稀に鬼に殺されずに搾取されていた者など理由は様々だが鬼に怨念を抱えない人物はほんの僅かだ。
___
120人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
渦(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます!コメント返信遅くなってしまって申し訳ないです!!これからも頑張って更新させていただきますね! (2021年9月15日 21時) (レス) id: d1870f2c27 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年9月9日 21時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:渦 | 作成日時:2021年1月6日 1時