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「期末だよ、喩語！」
6月の最終週、期末試験まで1週間を切っていた。上鳴君が嘆いているのを見て「ご愁傷様」と手を合わせた。
「喩語は勉強も出来んのかよークソー！」
元々秀でていたわけじゃない。ただ私が何百回高校生をやっていると思っているんだ。伊達に2次関数を繰り返していないぞ。
「まあほら、復習すればいいだけだよ」
「ヤオモモとAが1位だっけ？」
ああ、そういえば百もかなり勉強出来たな。1回目でこれなのだから相当優秀なのだろう。私は繰り返してパターン化しているからわかっているだけだ。
「実際百の方が教えるの上手いと思うよ」
「そ、そんなこと……！」
私が褒めると嬉しそうに頬を染める百が謙遜していた。ハハハ、ピュアだなーなんて笑ってしまう。
「喩語さんは中学の時から頭良いよね」
「緑谷にそう言われると嬉しいな」
彼も相当努力家だ。そもそも雄英に来た時点で皆偏差値高いはずなのに、どうしてそんなに絶望しているんだろう。
「爆豪もああ見えて勉強出来るしなー」
「おいコラアホ面、ああ見えてって何だぶっ殺すぞ」
あー上鳴君はそうやって余計な1言を。まあでも、心配な人は百が教えるっぽいし大丈夫でしょ。……どうせ合宿は全員参加だし。
さっきB組の拳藤さんが対ロボットって言ってるの聞いたし、私はそちらの方が心配だ。短時間であることを祈る。ロボットオンリーだと私の個性じゃキツいし、事前に誰かしらに掛けなきゃ駄目だ。
……どうしたものかな。
そんなことを考えながら、爆豪が緑谷に突っかかるのをボンヤリと聞いていた。緑谷にあそこまで執着するのも謎っちゃ謎だ。客観的に見ても全体的に爆豪の方が優れていると思うんだけれど。怖いからとてもじゃないが聞けやしない。
「A」
百が私の名前を呼んだ。それに応じて振り向く。
「Aもよろしければ私の家でお勉強を……」
「気持ちだけ受け取っておくよ。教えるの頑張ってね」
食い気味に返答すると百は「そうですか……」としゅんとしていた。気持ちが揺らぎかけたが、押し留める。1人の方が集中出来るタイプの人間だ。それに私は友達ごっこをする為にここに来たわけではない。少なくとも、まだ。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
