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筆記試験を終え、期末試験の演習当日がやってきた。
演習試験にも当然赤点は存在するそうで、試験内容によっては他人事ではない私は内心少し緊張していた。林間合宿に参加出来ようが、赤点は嫌だ。
でも妙だ。ロボット演習だと聞いていたのに、教師の数がやたら多い。疑問に思ったのは皆同じようで、相澤先生がそれに関する情報を話そうとした時、先生の首の辺りから根津校長が飛び出してきた。どうやら諸事情で内容が変更されたらしい。いや、相澤先生無表情だけれど、誰も校長が飛び出て来たことに関しては突っ込まないわけ？
……説明された内容だと2人1組のはずなんだけれど。
「先生、これ1人余りますね」
ペアが指定されたすぐ後に質問する。私だけ名前が呼ばれていないのだ。これは1番初めの戦闘訓練の時みたいに、誰かが重複する形になるのだろうか。
「ああ、お前だけ1人だ」
「え、ひとり……？」
「で、俺とだ。ただし――」
言葉が出なかった。ペアがいない状況、個性の無効化が出来る相澤先生。後は演習場への距離次第だけど……一か八かだ。
リカバリーガールとモニターを見ながら皆の戦況を確認し、対策を練る。
相澤先生が少し休憩を挟むので私の順番は最後。そしてその頃には少なくとも数人が帰ってきているはず。その数人と話して、個性を持続させつつ短期決戦でどうにかするしかない。
「珍しく緊張しているね」
「ちょっと余裕が無いです」
「かなりやり辛い組み合わせだと思うよ」
リカバリーガールまでそんなことを……いや、諦めちゃ駄目だ。こんな使い方はしたことがないけれど、私の個性……否定が強ければ強いほど、多ければ多いほど効力がある。それなら。
「せめて先生の無効化を無効化出来れば勝てるんですけど」
「肉弾戦に自信があるんだろうけど、その前提に無理があるねぇ」
「後は先生がくれた特別条件、戦闘服に含まないアイテムを1つだけ使っていいというのをどう使えるか……です」
「目星は付けたのかい？」
「百が帰ってきたら交渉してみます」
多分交渉自体は理由を説明すれば創造で作ってくれるはず。
ただし――ペアがいない分のハンデで、用意できる範囲での戦闘服に付属する以外のアイテムの使用を許可する。
先生は確かにそう言っていた。“用意できる範囲で”……百に頼ってはいけないと言われたわけではない。
轟君と百のチームがクリアした。1度ここに来るはずだから、そこで頼もう。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
