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「今日も見回りだ。油断をせずにいくぞ」
「はい！」
職場体験3日目。私の予想だと今日がヒーロー殺し出現日。夕方に江向通り付近に現れるはずだ。
ヒーロー殺し……名前はステイン。本名は赤黒血染だったか。一部の人間には崇拝される程の信念を持つらしい。彼の信念にはオールマイトが関係していると何度か聞いた。
No.1は色々な影響を及ぼすから大変だ。彼1人いなくなっただけで崩れる世の中だもの。そうならないように私がいるのだけど。
「喩語」
「ん、何か」
「いや、腹でも痛えのかって」
……腹？ どういうことだと聞き返せば「凄え険しい顔をしている」とのこと。
「ああごめんね、ただの考え事」
へらっとそう言えば「そうか」と返ってきて会話が終わる。こういう考え事をしている時、どうしても表情が強張るからな。直さないと。
轟君は結構人のことを見ているらしい。彼は彼で油断は出来ないな、と小さく息を漏らした。
滞りなくパトロールが進み、時計が5時半を過ぎた頃。ソワソワと落ち着かない気持ちでいたら、少し離れた所で大きな音がした。
……来たか。先に脳無の方が。この日は敵が初めて市街地に脳無を放った日でもある。ほぼ同時刻と思ったが、脳無が先か。
参ったな、と。そう思った。脳無とは戦えない。いや、ここで出てくる奴なら身体能力でいえば武器があれば何とか仕留められるが、それでも戦うことは避けたい。
「事件だついてこい。ヒーローとやらを見せてやる！」
エンデヴァーさんが音のする方へ走り出し、ついていく為にこちらも駆け出した時、ポケットが震えた気がした。
クラスメイトか先生か両親の通知しか入れてないけど、いったいこんな半端な時間に何の用だと思いながら画面に目を向けた。
緑谷から位置情報。場所は江向通り2丁目の細道。
すぐにハッとした。江向通りにヒーロー殺しが現れたんだ。そしてどういうわけか緑谷と接触した。
これでは、こちらが行くにしろ行かないにしろ今までと変わってしまうではないか。私が、ちゃんと見ておかなくては。
轟君が気付いたようにそちらへ走り出す。エンデヴァーさんにアドレスを教えて、友達がピンチだと言って。
「君は何か知ってるか」
そうだよね、この状況だと私に聞くよね。
「私からも応援を頼みます」
「あ、待て！」
走るには結構距離があるよね。
「江向通り2-4-10だったら、一瞬で着くので」
手を伸ばすエンデヴァーさんの前で、私は消えた。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
