みらくるがーる、

特別な人 De21 ページ36

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目の前で、目標が途絶えた。
1年間それだけしか考えて無かったからか、
試合が終わって胴上げを見て、ロッカーへ戻って
ミーティングをして着替えてハマスタを出るまで、
心に大きな穴が開いた感じがした。


エスコバーと飯澤さんのお陰で一旦は
止まったものの、ロッカールームを出た瞬間
またじわじわ実感が湧いてきて涙が溢れた。



『…なんで、』




ハマスタの関係者出口から出ると見えた、
見慣れた姿。


実を言うと……俺だけ見てて、と言われた
あの出来事以来、昇太とちゃんと話していない。

このタイミングでこんな所に、こんな場面で
顔を合わせるなんて思ってもいなかった。



こんな姿昇太には、見せたくなかった。






21「…A」



『…何でおるん、今日はオフ日でしょ？』




21「いや、来ようと思えばすぐ来れるし、、ね？」



居ても立ってもおれんかってさ、と
無表情で頭を掻く昇太。




『中入ってきたら良かったのに、』



21「入ろうかどうか迷ったけど、、」



『…けど？』



21「Aの顔が見たかったから」



『…中継で見れたやろ、』



21「そうじゃなくて！」



『…？』



21「…泣いてる顔が見たかった、」



『は…？』




何、言ってるんだ、、この人は。




21「そんな姿、誰にも見せたくないんやろ？」



『当たり前でしょ、』



21「…でも俺だけにはそういう所、
見せて欲しいなぁって、、」



『…』




21「A、絶対どっかで泣いてると思って
心配で、こういう時くらい頼ってほしいなって
思って、、
ごめん。
久しぶりに話してこんなこと」



『わかったから、、もう良いよ』



21「…A、」



『なに、？』



21「…泣いて良いよ、
見てるの、俺しかおらんから」



『……私、見世物じゃ無いんやけど』



21「知ってる、」



『……』




気が付けば昇太に抱きしめられていた。




21「…何も出来なくてほんとごめん、」



『いいんよ。…ありがとう昇太、』



21「…！」





昇太の腕の中で泣いている間、ずっと
こうされていたいと思ったこの気持ちは、
昇太への特別なものなんだろうか。









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20190921









今永さんがその日オフで球場に居なかったのかどうかはわかりません。←
単なる想像です。事実とは異なります。
でも事実に合わせて物語を作っていきたい…！！
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