何色の花ですか？ (ページ20)

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episode１７ページ20

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という流れで、休みの日まで会社に出てくるハメになってしまったわけだ。

なんだかんだ帰路につく頃には日中元気だった太陽も沈み、月が顔を出す時間になっていた。

今日の鬱憤を晴らすべく、例のBarに寄る。

ｶﾗﾝと乾いた音を立て、ウェルカムベルが私を迎える。
「いらっしゃいませ～」

『こんばんは！』

「あら、Aちゃんいらっしゃい。
...今日も何かあったのねぇ、聞かせてもらおうかしら。」
微笑みながらそう言い、カウンターの方へ歩いて行った。

奥さんは私の良き話し相手でいつも私のくだらない愚痴を笑って聞いてくれる。
でも決して深く干渉してくるわけではなく、ベストな距離感を保ってくれる。これが居心地のいい理由の一つでもある。

Barと聞くとちょっと敷居の高い感じもするがココはちょっと違う。
素敵な料理でもてなしてくれて、雑談にも付き合ってくれる。独身の私にとっては第2の家のような場所だ。

マスターは無口で不器用だけど心は優しい。最初はみんなに警戒されがちだが、本当の彼はとっても話しやすい人だ。
奥さんはマスターを立てながら、お客さんには明るく振る舞う。実に尊敬するべき夫婦で、私も将来はこんな関係になりたい。

私のお気に入りの席は一番奥の窓際。

『今日はだれか座ってるんですね...』

私が残念そうに呟くと、「今日は1杯サービスしておくわね」と奥さん。
こればっかりは優しさに甘えることにした。