ｺｳﾉﾄﾞﾘ2ｰ小さな命ｰ(2)

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＜四宮side>



ﾄｰﾗｯｸ希望の秋野蓮さん。
結局次の日帝王切開に切り替わった。
赤ちゃんもお母さんも無事出産を終えた。




ｶﾞﾁｬ


小「お疲れ様っ！」


「お疲れ様です」



休憩室に入るとなにやら騒がしかった。



ﾃｰﾌﾞﾙ席には藤原がﾏｸﾞｶｯﾌﾟを手に資料を見ていた。

なんとなく俺もそこに座った。



小「吾郎先生が前立ちしたんだよ」


「どうせずっと足手まといだったんだろ。その妊婦も気の毒だな」



そう言うと目の前の藤原はｸｽｸｽ笑った。
またか。こいつは泣いたと思ったら笑う。




鴻「とにかく無事終わったよ」


四「そうか。なら良かった」


赤「いつの間にかもうお昼なんですねー。はぁー、疲れた」


小「初の前立ちの感想は？」


赤「今日の赤ちゃんを初めて見たときの家族の幸せそうな顔は特別でした。だから疲れも吹っ飛びます」


下「今回も妊婦さんの希望を尊重してあげられたからこそご家族の幸せそうな顔が見られたんだよ」


赤「はい」


下「いつも笑顔でいないとね。そうじゃないと普段から妊婦さんにもご家族にも優しくなれないから」




下屋のくせに。
下屋もいつの間にか成長したんだな。
ふっ生意気な。



「まぁ、優しさにもほどがあるけどな」


下「四宮先生」


「…なんだよ」


下「ｼﾞｬﾑﾊﾟﾝ食べますか？」


「はぁ？」


下「まなみはｸﾘｰﾑﾊﾟﾝねー」


『わーい、ありがとっ』


下「可愛いー」ぎゅ〜


『加江ちゃんこれ』


下「はっ、ありがとー！」


藤原が下屋に渡したのはいつか俺も貰ったﾁｮｺﾚｰﾄだ。



小「なになに〜？」


下「魔法のﾁｮｺﾚｰﾄ」


『ふふっ』


下「大好きな人しか貰えないんですぅ」


小「え、何私の事は大好きじゃないっての?!藤原先生?!」


『え、あ、いや、ちょっ』



目の前でもめる女子3人。




鴻「じゃぁ僕は焼そばﾊﾟﾝいただきまーす」


小「鴻鳥先生はいらないの？！焼そばﾊﾟﾝなんてっ」


鴻「あっあぁ、小松さん僕の焼そばﾊﾟﾝっ、下屋下屋おかしい、ちょっ、もう吾郎君?!」



標的がいつの間に変わりｿﾌｧの方がまた騒がしくなった。



ん？



ちょっと待て。



そんなことより…






“大好きな人”しか貰えない？






ｶﾞﾀﾝｯ



思わず椅子から立ち上がる。



『どうしたんですか？』


「いや…」



目の前でｻｸﾗ達を見て笑ってた藤原が俺に驚き聞いてきたが、ただ誤魔化すしかなかった。

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