最終話 ページ23
雨降って地固まる、とはよく言ったものだ。
涙を流したとて痛みは消えず気持ちも…変わらず。
片思いで良い、それでいい。
貴「五月雨さん、ここに居たんだ」
あなたに探して欲しくて少し部屋から離れてしまった。
これから遠征だと言うのに何をしているのやら。
貴「遠征だよ」
雨「あ、すみません、すぐ行きます」
貴「五月雨さんが遠征忘れるの珍しいね。
村雲くんが玄関で待ってるよ」
雨「はい」
桑「あーるじー!」
貴「はーいすぐ行く!
じゃあ五月雨さん、遠征頑張ってね」
雨「頭…っ」
貴「ん?」
思わず引き止めてしまった。
彼女の顔を見ると言葉が出なくなる。
雨「いえ…行ってきます」
貴「行ってらっしゃい。
無理しないでね」
伸ばした手は空を掴んだまま固まった。
雲「あ、来た来た。
何かあったの?」
雨「いえ、遅れてすみません」
豊「でーじょーぶか?
顔色悪いぞ?」
雨「大丈夫です、行きましょう」
早く行こう。
この痛みが消える前に。
ーENDー
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華ヶ崎レオ(プロフ) - 杜さん» ありがとうございます!! 雨さんが失恋した日はきっと大雨が降ったことでしょう… (1月28日 10時) (レス) @page23 id: c0d7bd9e07 (このIDを非表示/違反報告)
杜 - 桑名とのやり取りがとっても尊かったです!! でも、五月雨...うぅ。辛い。 刺さりました。 (1月27日 12時) (レス) @page2 id: 46ddc69a05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年11月22日 22時