第19話 ページ19
桑「その小説の主人公がね、好きなんだ」
でた、まただ。
言葉に表せないこの気持ちだ。
桑「素直で、元気で、見てると応援したくなるような」
目元の痙攣が始まる。
まさか、夢で見たのは…
桑「好きな人に対しての気持ちとかすっごく伝わってくるし、なによりその子が…」
私は手を前に突き出し、彼の言葉を止めた。
貴「もう、いいよ」
桑「え？」
貴「もうわかったから、大丈夫。
話してくれてありがとう。
大好きなんだねこの小説」
桑「…うん」
どうしよ、もう読むの辞めたい。
貴「とりあえずまだ先は長いんだね。
それが知れただけでもよかった」
桑「主？どうしたの？」
貴「どうもしないよ」
何かを察したのか桑名さんが私に近付いてきた。
私は思わず後ろに下がってしまった。
貴「…何？」
桑「僕のこと、嫌い？」
貴「嫌いじゃないよ」
桑「じゃあなんで」
黙り込むと、私の手に彼の手が触れた。
顔を上げたが最後、私は彼の表情と瞳に捕らわれて動けなくなった。
桑「嫌なら言ってね」
静かな部屋に衣擦れの音だけがやけに目立つ。
ゆっくりと互いの距離が縮んでいく。
これ、受け入れたら私の覚悟は揺らぐのだろうな。
弱い覚悟だった。
悩むのも、苦しむのも、もうしたくないし…
流れに身を任せても…
その時
松「主、起きてる？」
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華ヶ崎レオ(プロフ) - 杜さん» ありがとうございます！！ 雨さんが失恋した日はきっと大雨が降ったことでしょう… (1月28日 10時) (
レス) @page23 id: c0d7bd9e07 (このIDを非表示/違反報告)
杜 - 桑名とのやり取りがとっても尊かったです！！ でも、五月雨...うぅ。辛い。 刺さりました。 (1月27日 12時) (レス) @page2 id: 46ddc69a05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年11月22日 22時
