第18話 ページ18
寝る前、いつもと同じく本を読んでいたら誰かが私の名前を呼んだ。
貴「はーい」
そこに立っていたのは桑名さんだった。
桑名さんは私を見るとふっと微笑んだ。
貴「どうかした?
眠れないの?」
桑「うん、少し話したくて」
貴「どうぞ」
彼を部屋に通し、座ぶとんを出した。
桑「本読んでたの?」
貴「あぁ、うん。
寝る前に読んでるの」
桑「それ僕も読んだよ!」
貴「えぇ!?」
桑名さんが、恋愛小説を!?
私は思わず大きな声が出た。
桑「僕結構恋愛小説好きで読んでるんだぁ。
主もそれ好きなんだ?」
てことは、あの恋愛小説桑名さんの…!!
結構可愛いとこあるんだな…
貴「読んだってことは、結末知ってるんだよね」
桑「うん」
私は少しだけ息を吐いて言った。
貴「あのさ、教えてくれない?
この本の結末」
桑「え?」
貴「なんだか最近、この本を読むと胸がモヤモヤするんだ。
でも途中で読むの辞めるのもモヤモヤしちゃって…
だから教えて」
桑「モヤ、モヤ…」
前までは主人公の気持ちが痛いほどわかった。
主人公と自分が重なって、物語にもとても入り込めた。
だけど最近主人公の気持ちが分からなくなって、昨日五月雨さんに言われたのをきっかけに完全に理解出来なくなった。
貴「この子は幸せになるのかな」
桑名さんは「んー」と少し考えた後、またニコッと笑った。
桑「幸せになるよ。
けど、主が読んでるのはまだ序盤だからもったいないなぁ」
貴「え、長いのこれ」
桑「そこそこね」
やっと3巻突入したのにまだ続くのか…
桑「僕ね、その小説結構上位に入るくらい好きなんだ」
貴「そうなの?」
桑「うん」
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華ヶ崎レオ(プロフ) - 杜さん» ありがとうございます!! 雨さんが失恋した日はきっと大雨が降ったことでしょう… (1月28日 10時) (レス) @page23 id: c0d7bd9e07 (このIDを非表示/違反報告)
杜 - 桑名とのやり取りがとっても尊かったです!! でも、五月雨...うぅ。辛い。 刺さりました。 (1月27日 12時) (レス) @page2 id: 46ddc69a05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年11月22日 22時