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第2話 ページ2

貴「…うっ…」


目を開けると、暗い部屋に座っていた。

後ろで手を縛られ、カバンなども無くなっていた。


誘拐…?

でもなんで…


貴「とにかく出なきゃ」


壁に手を付き、器用に立ち上がった。

ドアノブをガチャガチャとしたところ、鍵が掛かっているのか開かない。


貴「窓は…」


カーテンを開けると、その高さに背筋が凍った。


この高さは飛び降りられない…


ここがどこなのかも、今何時なのかも分からない。

なぜ私を誘拐したのか理由が思いつかない。


部屋の中には何も無い。

暗くて、狭い。


貴「…モニカ…」


ぼそっと友達の名前を呼んだ瞬間、ドアの向こうから声がした。



?「ただいまー」


この家の主が帰ってきたようだ。


怖くて声が出ない。

私は部屋の隅で小さくなり、恐怖に耐えた。


するとガチャガチャと音がしてドアが開いた。

淡い光が、くらい部屋の中に道を作った。


ドックン、ドックンと心臓が大きく脈打った。


怖い、怖い怖い怖い、怖い…


足音が近づき、私の前で止まった。


?「初めましてやね」


彼は私に目線を合わせるようにしゃがみ、話しかけてきた。

彼の顔には「天」と書かれた布が付けられていた。


?「腹へっとらん?
なんか食べたいものとかある?」


優しい声音とは裏腹に、私の恐怖心は消えなかった。


?「そんな怖がらんくてええよ」

貴「あなたは誰なの」


やっと出た声は、驚くほど震えていた。


ロ「俺か?俺はロボロや」


意外とあっさり名前を教えた。


ロ「今日からよろしくな、Aちゃん」

貴「なんで私の名前を…」

ロ「全部知ってんで」


突然彼はずいっと近付いてきた。


ロ「ずっとずっと見てたもん。
知らんことなんて無いよ」


ゾワッとした。


布で顔が見えないはずなのに、嬉々に満ちた目がギラッと光った気がした。


ロ「トイレとかお風呂行きたかったら言うて。
そんときはここ開けたるわ。
でも、こっから逃げようとしたら」


大きな音と同時に私の真横に手をついた。


ロ「分かっとるよな?」


低い低い声が、私の中の危険信号を発令させた。


ロ「じゃ、また来るわな」


パタン、ガチャガチャン!とドアが締められた。


貴「そんな…」

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華ヶ崎レオ(プロフ) - はるまろさん» ありがとうございます!今今出来ました...! (2018年10月6日 3時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
はるまろ(プロフ) - ロボロさん編とても面白かったです!ヘビースモーカーさんのも楽しみに待っております! (2018年10月6日 3時) (レス) id: 51f26c8edc (このIDを非表示/違反報告)
華ヶ崎レオ(プロフ) - ちゃんぱみさん» ありがとうございます!次のお話はもう少し平和にしていきたいところ...いや、平和なんて無かったんや (2018年10月6日 2時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
華ヶ崎レオ(プロフ) - ナナナさん» ありがとうございます!そう言っていただけるとモチベが上がります! (2018年10月6日 2時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんぱみ(プロフ) - あ〜〜〜〜〜〜めちゃくちゃ面白かったですドキドキしました!!次のお話も楽しみです〜!! (2018年10月5日 21時) (レス) id: 25198e6015 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2018年9月30日 19時

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