第8話 学者の予感 ページ8
翌日
貴「ふぅ」
水の入った大きなバケツを置き、額の汗を拭った。
貴「大丈夫？」
目の前には大きな龍が伏せており、琥珀の瞳が私を捕らえていた。
彼はここの研究所内で最も高齢な龍だ。
私は彼を古龍と呼んでいる。
龍は半不死身だが、病気に掛かると治る確率は低いため死んでしまう。
彼も数年前から病気を患っており、世話をしながら治療薬の開発を進めている。
貴「今日はいい天気だよ。
みんなも元気に走り回ってるの」
雑巾を絞り、彼の顔を拭きながら話しかけた。
貴「ねぇ、あなたもたまには外に出てみない？
暗いところばかりいたら、治るものも治らんよ」
目元に触れると、ゆっくりと瞬きした。
貴「…嫌か…そっか…」
頭をくっつけ、目を閉じた。
貴「大丈夫、あなたのことは見捨てない。
この病気も治してみせるから。
大好きやで…」
そう言うと「ぐぅ」と喉を鳴らした。
貴「相思相愛やね」
ゴツゴツとした肌、美しい瞳、優しい声、全部全部大好き。
貴「じゃあ、また来るから。
いい子でおってな」
バケツを持ち、部屋を出ようとすると白衣が引っ張られた。
後ろを振り返ると、古龍が私の白衣を口にくわえていた。
貴「…しゃーないな。
あと少しだけ一緒におったる」
コトンとバケツを置いて、彼の首元に座った。
古龍は私を抱き締めるように身を寄せ、目を閉じた。
貴「…おやすみ」
私も目を閉じ、彼に背を預けた。
貴「…ん」
目を覚まし、腕時計で時間を確認した。
お昼過ぎか。
貴「おやすみね」
彼の口元に軽くキスをし、部屋を出て行った。
食堂に向かう途中、ゾムさんの部屋の前を通った。
やけに静かだなと思ったが、敵国に忍び込んでいることを思い出した。
貴「ゾムさん、大丈夫やろか…」
なんか、嫌な予感がする。
貴「無事に終わればええんやけど…」
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華ヶ崎レオ(プロフ) - クロカさん» ありがとうございます！エミさんの気持ちもわかりますね。これからもよろしくお願いします。 (2018年9月24日 19時) (
レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
クロカ(プロフ) - ゆ、夢主ちゃん……かっこいいぃ(*ﾉωﾉ) 普段めっちゃ可愛いのに、急にSになるとか……ギャップがものすごくいいですね！！好きです！！ これからの、展開が凄く気になります！応援してます！！('◇')ゞ (2018年9月24日 17時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
華ヶ崎レオ(プロフ) - 紺狐(ユウ)さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年9月24日 13時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
紺狐(ユウ) - 面白いですね!更新頑張ってください! (2018年9月24日 8時) (レス) id: 6446cf17af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2018年9月23日 22時
