第25話 ページ25
誰かさんに人生相談。
私はこれから、どう生きればいいですか。
貴「夜…」
いつの間にか辺りは暗くなり、虫の音が響き出した。
貴「ただいま」
赤「おかえりなさい」
貴「いい子にしてたか？」
赤「うん！」
赤龍の頬を撫で、クスッと笑った。
赤「今日も行くの？」
貴「あぁ、すぐ戻るから待っててくれ」
赤「気をつけてね」
手を振り、我々国まで飛んでいった。
トントンの部屋の窓まで行くと、大量の書類とにらめっこしていた。
そうだ、私の風で書類を飛ばしてやろう。
ケケケと笑い、窓を開けて大きく羽ばたいた。
ト「うわぁ！！」
案の定書類は花びらのようにヒラヒラと舞った。
ト「誰や！って、お前また来たんか…？」
貴「よぉ。
こんな時間まで仕事か？」
ト「おかげさまでな」
中に入り、窓を閉めた。
ト「なんの用や。
俺仕事あんねんけど」
貴「なんだよ、せっかく会いに来てやったのに仕事かよ」
ト「相変わらずサボってる奴らがおるでなぁ。
てか、グル氏んとこ行けばええやん。
なんで俺んとこ来んねん」
書類を掻き集めながら言うトントンに、キュッと唇を結んだ。
貴「…お前がいいからな」
ト「え？それって、まさか」
トントンがほんのりと顔を赤らめたが、冷めた目で言い返した。
貴「普通の反応して普通に対応するのお前ぐらしかいねぇからって意味でな。
なに照れてんだ馬鹿」
ト「くっそー！」
ハッハッハッ！と高笑いすると、書類を集め終わったトントンが隣に座った。
ト「でもまぁ、死んだはずの人間が姿を変えて蘇ったら誰でも驚くわ」
貴「……」
ト「髪の色、目の色、性格、喋り方、全部変わってしもーたしな」
トントンは私の髪の毛を手で持ち、何故か悲しげに笑った。
貴「…お前は、人間の私と龍の私を比べてるのか？」
ト「比べてるわけちゃうよ。
でもお前を見てるとどうしても…な」
胸がズキズキした。
そうだ、そうだよ。
私の頭の中では彼らは変わらず生きてるけど、こいつらの中でのAは人間の方だ。
私のことは、知らない。
貴「帰る」
ト「え？あ、そうか」
貴「もう会いに来ない。
この国にも、来ない」
ト「は？何でなん？！」
貴「お前らの中でのAは私じゃない。
上書きする気は無いから、もういい」
ト「待てや！」
飛び立とうとした瞬間、トントンが腕を引っ張った。
ト「え…」
振り返った私の目からは、透明の液体が絶えず流れていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 307人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華ヶ崎レオ(プロフ) - クロカさん» ありがとうございます！エミさんの気持ちもわかりますね。これからもよろしくお願いします。 (2018年9月24日 19時) (
レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
クロカ(プロフ) - ゆ、夢主ちゃん……かっこいいぃ(*ﾉωﾉ) 普段めっちゃ可愛いのに、急にSになるとか……ギャップがものすごくいいですね！！好きです！！ これからの、展開が凄く気になります！応援してます！！('◇')ゞ (2018年9月24日 17時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
華ヶ崎レオ(プロフ) - 紺狐(ユウ)さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年9月24日 13時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
紺狐(ユウ) - 面白いですね!更新頑張ってください! (2018年9月24日 8時) (レス) id: 6446cf17af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2018年9月23日 22時
