第18話 総統の罪 ページ18
話がある
そう言って部屋に呼び出したグル総統。
貴「グル総統、入るよ」
扉を開けると、総統は私の横に手をつき、バタンと扉を閉めた。
貴「…へ」
カチャン、と鍵の閉まる音がした。
貴「グル…ちゃん？」
グル総統は私の体を強く抱きしめ、「ごめん」とつぶやいた。
貴「ど、どうしたんグルちゃん！
なんかあったの？」
グ「…ごめん、俺のせいだ」
貴「意味が分からないよ、ねぇ」
グ「今から話すことを、よく聞いてくれ」
グル総統はぽつりぽつりと言葉を落とすように吐いた。
貴「え？」
私はグル総統から告げられる言葉に耳を疑った。
貴「ち、ちょっと、そんなの信じられないよ。
だって私とグルちゃんは幼馴染じゃ」
グ「違うんだ」
貴「…違う…？」
グ「俺達は、幼馴染なんかじゃない」
パキン、と何かが割れるような音がした。
グ「お前はこの世界を変えるために生み出された、龍と人間の融合体」
ダメ、私…
グ「俺はお前を研究所から連れ出し、幼馴染だと言って逃げた」
嫌だよグルちゃん
嘘つかないで
グ「お前は頭に血が上ると龍になる。
その記憶は人間のAには共有されず、龍は龍だけの記憶が残る。
先月の国が滅んだ事件、あれは」
お前が犯人だ
体が離れると、グル総統は酷く悲しい顔をしていた。
グ「俺がお前を解放したがために、こんな思いをさせてしまった。
今お前は龍に侵食されかけている」
貴「…ま、待ってよグルちゃん。
ならなんで…グルちゃんは私を連れ出したの」
するとグルちゃんは私の両頬に手を添えた。
交わる視線と重なる唇。
私は驚いて言葉が出なかった。
グ「…苦しむAを見て、後悔していた」
貴「…」
グ「俺のせいでAは苦しんでいる。
なぜあの時、俺は嘘をついてまでお前の手を引いたのか、本当のことを告げる勇気が出なかったのか、それは単純に嫌われたくなかったからだ」
ぽたぽたとグルちゃんの涙が頬に落ちた。
グ「もう遅いが謝らせてくれ…
本当にごめん…」
貴「グルちゃん…」
嫌わないよ
グルちゃんが話してくれたこと、一切覚えてないけど私のためにやってくれたことなんよね。
貴「グルちゃんの言葉、全部信じるよ。
まだ受け入れられないけど、ホントのことなんだよね」
グ「あぁ」
貴「ありがとう、グルちゃん」
扉の向こう側でもう1人、話を聞いていた人間がいた。
彼は扉から離れると、緑のフードを深くかぶった。
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華ヶ崎レオ(プロフ) - クロカさん» ありがとうございます！エミさんの気持ちもわかりますね。これからもよろしくお願いします。 (2018年9月24日 19時) (
レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
クロカ(プロフ) - ゆ、夢主ちゃん……かっこいいぃ(*ﾉωﾉ) 普段めっちゃ可愛いのに、急にSになるとか……ギャップがものすごくいいですね！！好きです！！ これからの、展開が凄く気になります！応援してます！！('◇')ゞ (2018年9月24日 17時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
華ヶ崎レオ(プロフ) - 紺狐(ユウ)さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年9月24日 13時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
紺狐(ユウ) - 面白いですね!更新頑張ってください! (2018年9月24日 8時) (レス) id: 6446cf17af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2018年9月23日 22時
