【A3!】だらりと垂れた、充電コード (ページ29)

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29ボルトページ29

次の日の朝

貴「じゃあ、行ってきます」

監「ほんとに1人で大丈夫…？」

貴「平気だよ！
私強いから！」

監「そうだけど…」

やっぱり一緒に行く！と聞かないいづみをそっと抱き締めた。

貴「大丈夫だって。
戦争しに行くんじゃないんだから」

監「…でも心配だよ…」

いづみの体を離し、肩を掴んだ。

貴「まぁ、もし私になんかあったら、そのときはよろしく」

監「…うん」

私はうなづき、寮を出た。

カフェで1人、先にコーヒーを飲んでいた。

落ち着け、大丈夫だって。

なんとかなる。

「お待たせ」

私の前に、一人の男性が座った。

私の元カレだ。

「どうしたの？突然呼び出して」

貴「しらばっくれるな」

私はコーヒーを飲みながら睨みつけた。

「あぁ分かってるよ」

貴「金輪際、私や私と関係のある人に近づかないで。
でないと警察に行く」

「…」

ことり、とカップを置くと、元カレが溜息を吐いた。

「俺はただお前が好きなだけなんだけどねぇ」

貴「私がお前を振った理由、まだ理解できないの？
お前が私以外の女と浮気したからだろ」

「浮気じゃねぇよ、遊んだだけだよ」

貴「それを浮気って呼ぶんだ」

「俺は浮気って思ってない」

私って、今までこんなやつと付き合ってたのか。

貴「それから、私の過去は話したければ話せばいい。
そんなもの脅迫にもならないから」

「ふーん」

貴「それじゃあ、さよなら」

席を立ち、もう1度彼を睨んだ。

貴「いい？もう私達に関わらないで。
もし破ったら」

「警察だろ？」

貴「わかってるじゃん。
それから、力があるってことも忘れないで」

これで終わってくれればいいんだけど。

私はお金を払い、カフェを出た。