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第20話 ページ20

酸素マスクも取れ、自由に歩き回れるまで回復した私を、お医者様は奇跡と言った。

でもまだ油断ならないため、退院はできないそう。


とりあえず暇なので、お隣の患者さんからもらった折り紙をひたすら折っていた。


貴「うふふ、可愛い」


コンコンとドアがノックされ、七尾さんが元気よく入って来た。


太「Aちゃーん!
今日も来ちゃったッス〜!」

貴「あ、七尾さん、こんにちは」

太「何してるんスか?」

貴「お隣から折り紙を貰ったので、久しぶりに折ってるんです」

太「こんなにたくさん…
俺っち折り紙大得意ッスよ!」

貴「ほんとですか?」


七尾さんは束の中から赤い折り紙を出し、あっと言う間に折り上げた。


太「ほら!お花!」

貴「すごいです!」

太「もっと折っていいッスか?」

貴「どうぞどうぞ!」


私は七尾さんの手によって作られる作品に釘付けになった。

いつの間にか私の机の上は七尾さんの折った折り紙でいっぱいになった。


太「ちょっと折りすぎちゃったかな…」

貴「もう折り紙も無くなっちゃいましたね」

太「ご、ごめんね…
せっかくもらったのに…」

貴「いいえ、七尾さんの折り紙ショーを見れて楽しかったです」


すると七尾さんは、一番初めに折った赤い花を私の髪に付けた。


太「七尾さんじゃなくて、太一って呼んで欲しいッス」


七尾さんの手がそっと離れた。

七尾さんの顔は、私の髪に付けられた花と同じくらい赤かった。


私は花に触れ、


貴「…太一くん」


と呼んだ。


太「は、はい!」


私は太一くんの制服の胸ポケットに、教えてもらいながら作った緑の花を入れた。


太「へ…?」

貴「これは、太一くんの髪の色。
それは、私の髪の色」

太「あ…」

貴「こういうの、なんだか恥ずかしいですね」


すると太一くんは赤くなった顔を隠すように机に突っ伏した。

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華ヶ崎レオ(プロフ) - みこはんさん» ありがとうございます!とっっっても嬉しいです!初めはこんな結末じゃなかったので、大丈夫かなと心配でしたがそう言っていただけて安心しました!(*´-`*) (2017年8月1日 0時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
みこはん(プロフ) - 何回見ても泣けます(´;ω;`)たった36話でここまで中身の濃い小説はなかなか見ないので凄いと思いました!次の作品も楽しみにしてます。 (2017年8月1日 0時) (レス) id: af3c32f75f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2017年7月17日 22時

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