第17話 ページ17
ー瑠璃川Aー
貴「……」
ずいぶんと長く眠っていた気がする。
慣れたこの感じ、また私は入院しているのか。
ゆっくり顔を傾けると、ちいさな目覚まし時計が目に入った。
夕方の5時か。
幸はもう寮に帰ったかな。
腕に繋がれた点滴の管。
口につけられた酸素マスク。
私はもう一度目を閉じた。
こんな惨めな姿、晒したくない。
きっと、幸を泣かせてしまっただろう。
お母さんも、お父さんも、きっと…
私は、生きている意味あるの？
重たい腕で、スッと酸素マスクを取った。
少し苦しいけど、大丈夫…
ベッドから起き上がると、どれだけ自分が弱っているか実感した。
裸足のままベッドから降り、窓を開けた。
涼しい風が髪をすり抜けた。
お父さん、お母さん、私は最後まで手のかかる子供でした。
幸、どうか幸せになって…
あなたの演技、1度でいいから見たかった…
窓枠に足をかけようとした瞬間
太「Aちゃん！！」
貴「え？」
突然後ろからお腹に手がまわり、ぐっと引っ張られた。
貴「わっ！」
ガシャーン！と点滴が音を立て、ドスンと倒れ込んだ。
太「いてて…
バカ！！何してるんスか！！」
貴「七尾さん…」
七尾さんが私の両腕を床に押し付け、怒鳴った。
太「今、飛び降りようとしたでしょ！！」
貴「……」
太「なんでこんなことするんスか！！」
ボロボロと七尾さんの目から大粒の涙が流れ、私の顔に落ちた。
貴「だ、だって、結局死ぬなら…」
太「俺っちは自ら命を絶ったAちゃん、見たくないよ！！」
そうだ、私何してるんだ
なんで窓から飛び降りようとなんか…
私は七尾さんに釣られたように泣き出した。
貴「ごめんなさい…ごめんなさい…」
私と七尾さんは、子供のように泣いた。
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華ヶ崎レオ(プロフ) - みこはんさん» ありがとうございます！とっっっても嬉しいです！初めはこんな結末じゃなかったので、大丈夫かなと心配でしたがそう言っていただけて安心しました！(*´-`*) (2017年8月1日 0時) (
レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
みこはん(プロフ) - 何回見ても泣けます(´；ω；｀)たった36話でここまで中身の濃い小説はなかなか見ないので凄いと思いました！次の作品も楽しみにしてます。 (2017年8月1日 0時) (レス) id: af3c32f75f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2017年7月17日 22時
