第22話 ページ22
アズ「どうしました？」
突然横からアズール先輩が割って入った。
「あ、店長じゃん。
ねーねー、この店員さんがめちゃくちゃな言いがかりつけてくんの。
うちらのこと犯罪者みたいに言ってくんの」
言ってねーわ！！
アズ「それはそれは…
うちの教育がなっておらず誠に申し訳ございません」
「ほんとほんと。
もうちょい何とかしてよね」
アズ「なんとか、ですか」
するとアズール先輩の顔が笑顔から真顔に変わった。
アズ「では、ご退店願います」
「…は？」
アズ「先程からお客様のことを事務所で見ておりました。
うちの従業員に過度なボディータッチされてましたよね」
「だからしてねーって」
後ろからトントン、と肩を叩かれた。
振り返るとジェイド先輩がおり、「事務所へ」と耳打ちした。
フロイド先輩の手を引きながら事務所に入った。
貴「フロイド先輩大丈夫？！」
両手で顔を包み、覗き込むと
フロ「小エビちゃん…」
フロイド先輩がポロポロ涙を零して泣いていた。
フロ「ありがと小エビちゃん…
俺マジで手出るとこだった…
ほんとにもう無理になっちゃって、やばくて」
貴「先輩はよく耐えましたよ。
あんなの、男女逆だったらもっと騒ぎになってるのに」
フロ「小エビちゃんのおかげで助かった。
ありがとぉ」
キュゥ…と体を抱きしめられた。
怖かったよね。
色んな人から1目置かれててもただの高校生だもん。
フロ「てか、俺ダサすぎ。
こんなんで泣くとか」
貴「別にダサくないっすよ。
誰も見てないし」
フロ「小エビちゃんに見られた」
私は軽く笑って先輩の頭を撫でた。
貴「いい子いい子」
フロ「稚魚扱いしないでっ！」
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年4月16日 17時
