第18話 ページ19
貴「母様!」
母「おやまぁ、よく来たね。」
母様は優しく微笑んで出迎えてくれた。
母「その服は?」
貴「バイト先の先輩に買ってもらったの。」
母「そう…とても似合ってるわ。」
貴「ありがとう。」
私はベッドの隣にあった椅子に座った。
貴「ねぇ母様、私昔の話を聞きに来たの」
母「昔の話?」
貴「私の孤児院の話と、私のこと」
母様は小さくため息を吐いた。
母「そうね、もう話さなきゃいけないわね。」
引き出しから取り出したのは、1枚の写真。
その写真はボロボロで、少し黄色くなっていた。
貴「この写真…」
私は写真をじっと見た。
同じ髪色の男女が手を繋いで笑っている。
母「その女の子がAよ。」
貴「じゃあ、この男の子は…?」
母「あなたの双子の兄よ」
え?
双子の、兄?
貴「ど、どういうこと…?」
母「あなたを孤児院から引き取る時、お兄ちゃんの方も引き取る予定だったの。
でも、その子は人に危害を加える力を持っていた。」
貴「その力って…?」
母「虎に変身してしまう力よ」
その言葉を聞いて、私の心臓は大きく打った。
てことは、敦君が私の双子の兄…
貴「名前とか、分かる?」
母「中島敦、だった気がするわ。」
やっぱり…
貴「何故、力を知っても引き取らなかったの?」
母「父様が、この子は引き取れないと言ったから…
私はあなたと一緒に居させたかったけど、ダメだった…」
私はもう一度写真に目を戻した。
ほんと、そっくりだ…
貴「……そっか」
不思議と混乱は無かった。
逆に、やっぱりな。と思った。
きっと敦君は忘れているだろう。
貴「ありがとう母様…」
母「ごめんね、今まで隠してきて…」
貴「いいの。
この写真、貰ってもいい?」
母「えぇ」
私は写真をポケットに大切にしまった。
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華ヶ崎レオ(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます! (2016年5月19日 7時) (レス) id: d996b1af9d (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 凄い面白かったです! (2016年5月19日 6時) (レス) id: e0c1ae9d92 (このIDを非表示/違反報告)
あにもー(プロフ) - 華ヶ崎レオさん» (*´∇`) (2016年5月11日 7時) (レス) id: a66a974f2e (このIDを非表示/違反報告)
華ヶ崎レオ(プロフ) - あにもーさん» (*´-`*) (2016年5月10日 22時) (レス) id: d996b1af9d (このIDを非表示/違反報告)
あにもー(プロフ) - 華ヶ崎レオさん» はい!全部私の好みです! (2016年5月10日 22時) (レス) id: a66a974f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2016年4月30日 17時