第4話 ページ4
？「なるほど…とりあえずお話はわかりました…
と言っても…私にはどうすることも…」
貴「そんな…」
見知らぬ地でたった独り取り残された悲しみと不安で今にも泣き出しそうだ。
一体どうすれば…
貴「私、なんでもします…
一般常識は傾いているかもしれませんが、必ずご期待に添えるよう努力致します…
だから、どうかお助け下さい…」
？「…あなた、御年齢は？」
貴「へ、15です」
？「ならちょうどいい」
貴「え？」
？「今度は私が説明するターンですね」
つらつらつらつら〜と話された内容はとても現実とは思えないものだった。
クロ「そしてこの私が学園長と校長のクロウリーです。
ここじゃなんですので、その寮に向かいますか」
差し出された手に捕まり、ゆっくり立ち上がった。
着いた先は、見るにも耐えないほどのボロい寮。
ここに寝泊まり…？私が…？
いいえワガママは言えませんわ…
あぁ…
クロ「さ、どうぞ」
中はある程度片付けられており、既に誰かが住んでいるような跡がチラホラ見えた。
クロ「こちらにはグリムくんという厄介…いえ、生徒が先に入寮しております」
貴「厄介って言いまして？」
クロ「コホン、そして先程お話にあった実験というのがこちらです」
差し出されたのは大きな宝石が埋め込まれたブローチだった。
クロ「これを」
恐る恐る受け取ると、突然私の体が白いキラキラに包まれた。
か、体が…何！？
貴「や、やだ、なに？
え、声！？なんですの？！！」
クロ「うむ、成功ですね。
こちらは所有者の性別を転換させる魔法を覚えさせたブローチです。
この魔法石の魔法であなたは男性の体になっています」
自分の体を触るとある所が無く、無いところがある体に変わってしまっていた。
声もしっかり低くなっている。
クロ「実験とはこのブローチがしっかり機能するかというものです。
私の学園は男子校ですので、女性がいるといろいろ弊害がある…
てことでそれです！」
貴「これが、魔法…」
私は非日常に心が踊り、クルクルとその場で回った。
クロ「気に入っていただけました？」
貴「えぇ。
それに、私ここで死ななくて良くなったのですね」
クロ「物騒ですね。
そのブローチはある程度距離が離れてしまうと魔法が解けてしまいますのでお気をつけて」
貴「素晴らしいですわ」
クロ「私からすればあなたの状況把握のスピードが素晴らしいです」
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年3月10日 22時
