第3話 無知と孤独 ページ3
貴「っは！」
勢いよく飛び起きると、そのまま重力に従ってズデーンと転げ落ちた。
貴「い、いたた…
ここは…」
ハッ…として頭や体に触れる。
痛くない…
血も流れてない…
私、えっと、たしか…
ダメだ思い出せない。
貴「そもそもここはどこなの…？」
いくつかの棺が私を囲うように設置してある。
多分、私はこの中に入れられてて、それで目が覚めたと同時に起きちゃったから落ちた…のかな。
？「なにか物音が…」
貴「え？」
扉が開かれると、仮面をつけた男性が中に入ってきた。
そして私を見るなり扉を勢いよく閉めて駆け寄った。
？「ちょちょちょ、一体どこから入ったのです？！
ここは一般の方は立ち入り禁止ですよ！！」
貴「へ、あの、私」
？「さ、誰かに見られる前に！ほら、ほら！」
貴「お待ちになって！
私そこの棺から出てきたんですの！」
後ろの棺桶を指さすと、はて？と首を傾げた。
？「出てきた？
そんな戯言信じませんよ」
貴「本当です！」
？「…でも先程の物音的に貴方以外…うーん…」
貴「わ、私は乙咲グループの長女、乙咲Aです！
発言や行動によっては無礼に値します…！」
沈黙が部屋を埋める。
あ、あれ？
？「あなた、頭を強く打ちました？」
貴「えと、打ったようなないような…」
？「とりあえず保健室行きます？」
貴「遠慮だけします…わ…」
まさか、乙咲の苗字を知らない…？
そんなはず…ない…
でもこの名門校の制服や私を見て本当に知らないような素振りだ。
もしかしてここは…
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年3月10日 22時
