検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:23,655 hit

第15話 ページ15

フロ「小エビちゃんはさー、なんでそんなにバレたくないわけ?」

貴「学園長から言われてるからです。
あまりバレちゃいけないって」

フロ「あまりってことは別に大事にならなきゃいいってことじゃないの?」


たしかに。と一瞬思ってしまったが再度断った。


フロ「てかもう俺にはバレてんだから、今更関係ないでしょ」


なぜ彼はこうも痛いところをつくのが上手いんだ。


貴「だ、誰かに見られてる可能性もありますから」

フロ「なら見られてなきゃいいんだ」

貴「…」


フロイドさんは私の肩にかかった上着を頭まで覆うように持ち上げた。


フロ「ほら、見えないよ。
後ろは上着で隠れてるし、前は俺で隠れてる」

貴「なんでそんなに見たいんですか」

フロ「近くでは見てねーもん」


近い。

確かに近い。

もう次何か起きれば私は我慢できない。


フロ「ほら早く。
腕疲れてきたー」


私はストールを止めるブローチを取り、少し遠くに置いた。

フロイドさんは私を見てそれはそれは…


満足そうな笑みを浮かべた。


顔に熱が集中し、ドキドキだった鼓動がバクバクに変わった。


フロ「そんな顔も出来んだあ…」

貴「もう見ないで…」

フロ「んー、やだ」

貴「もう終わりよ、終わり」


ブローチに手を伸ばしたが無く、いつの間にかフロイドさんの手の中に移っていた。


貴「か、えして…」

フロ「返すよ、後でね」

貴「意地悪…!」


突然視界が真っ暗になり、ギュッと苦しくなった。


この鼓動はどちらの鼓動…?

私?それとも


ぎゅぅう…と力が強まり、私は何が起きているのかやっと理解した。


抱き締められてる…

それも強く…


フロ「ごめんね、なんか締めたくなっちゃった」


フロイドさんの香りが、音が、熱が!!

親以外に抱きしめられたのは初めてで頭の中が爆発した。


フロ「ばあ」


体が離れ、顔にかかっていた上着が上げられた。


フロ「あはは、小エビちゃん茹でエビみてー」

貴「…」

フロ「小エビちゃん?」


私、この人に対する思いが変わってしまった…

第16話 意識しないを意識→←第14話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
74人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年3月10日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。