第9話 ページ9
貴「ご馳走様でした。
とても美味しかったです」
「ありがとうございます」
レシートをもらってカフェを出ると、心地よい夜風が髪を撫でた。
貴「こんなに満たされたのは久しぶり。
やっぱり美味しいご飯食べるのは大事だね」
グリ「これを機にAの料理も成長してくれれば言うことなしなんだけどな」
貴「が、頑張ります〜」
帰ろっか、と1歩踏み出した瞬間
フロ「小エビちゃーん！！」
貴「あっ」
やば、忘れてた
帰る時声掛けてくれって言われてたんだ…
フロ「普通に帰ろうとしてんじゃねーよ？」
貴「ひぇ…すみません…」
怖い…これが『やんきー』と言うやつ…ですの？
フロ「ねぇねぇ、もっとお話しよーよ。
俺暇してんだぁ」
グリ「お前勤務中なんじゃねーのかよ！？」
フロ「別に俺1人抜けたくらいなんとでもなるし。
てか、うるさい」
グリ「ひぃ」
あぁどうしましょう
帰って明日の授業の予習とかいろいろしたいのに…
そもそもなんでこんなにも目をつけられているのです！？
やっぱりぶつかったこと怒ってらっしゃるの？！
貴「あ、あの、僕なにかしましたか…？」
フロ「ん？」
貴「もし貴方様のお気に触れることをしてしまったなら謝罪致します。
ただ僕としてもその何かを知っておきたいので、話して下さると光栄なのですが」
するとフロイドさんはため息を吐き、無造作に頭をかいた。
フロ「あのさぁ、普通に話したいってだけなのがそんなにダメなことなの？」
貴「ダメ、では無いんですけど、その、僕は…」
フロ「やなんだ？」
貴「あや、その、言葉にするのは難しいんですけど、距離感というか、なんというか」
フロ「ふーん、わかった」
フロイドさんは突然私の服に付けられたブローチを引きちぎった。
ブヂッ！と鈍い音とともに、私の体は元に戻ってしまった。
貴「…え？」
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年3月10日 22時
