【2BRO.】飽きるまで (ページ1)

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#1 事の始まりページ1

私立共遊魔法学校魔法科。

朝8時半。

「Aさーん！」

振り返ると同時に、大きな体の男性が手を広げて立ち止まった。

「おはようAさん！
おはようのハグ！しよ！」

「あぁ、おはよう弟者くん。
朝から元気だね、ハグは遠慮しとくね」

「えぇ、なんで？」

元気な彼と裏腹に、私は冷や汗をかいていた。

彼は同じ学年、同じクラスの弟者くん。

成績優秀スポーツ万能、嫌う人は居ないほどの学年の人気者。

1年にして既に優秀魔法使いの称号を手にした素晴らしい人材だ。

そんな彼が、私に惚れ込んでいる。

「とりあえず教室行こうね」

「うん！一緒に行く！」

そんな彼と反比例の私。

成績、スポーツ、実技、全てにおいて平凡の私。

薬学だけ得意ではあるが、ほんとにそれだけで取り柄もない。

だからこそ、この環境は周りにとって滑稽そのもの。

笑うものもいれば嫉妬して陰口を言うものもいる。

事の始まりは先月のこと。