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第9話 ページ9

貴「うん、美味しい!
これは篭手くんがつくったやつかな?」


少し歪で、でも可愛い星型。

ちっちゃく目がついててニッコリ笑ってる。


貴「お茶、おかわりいる?」

豊「いやいいよ」


さっきから豊前くんと目が合わない。


貴「…なにか悪いことしたの?」

豊「してねぇよ?!」

貴「ならどうして目が合わないのかな〜?」


顔を近づけて目を合わせようとするが余計そらされる。


走りすぎて当番忘れてたとか?

前数回やってるしまたやっちゃったのかな??


貴「ぶーぜーんーくん!!」

豊「あ、あははははは!!あ、あるじ、やめ、あはは!」


脇腹を盛大にくすぐると体をよじって笑ってくれた。


貴「悪いことしたんなら吐けー!」

豊「し、てね、くっ…ぐふ、息、できな」

貴「降参?」

豊「する!するする!」


ゼーハーと必死に酸素を吸う豊前くん。

試しにもう一度脇腹をツン、とつつくと「降参しただろ!」と言われてしまった。


貴「で?どうしたの?
私にも話せないこと?」


彼は少し口を尖らせて言った。


豊「主は…審神者辞めるのか?」


頭の中がフリーズし、可愛い鳥さんが通過していった。


貴「何の話?」

豊「せ、先生ってやつになるんだろ?
なら審神者…辞めちまうのかなって」


過去に加州くんにも似たようなこと聞かれたな…

豊前くんが心配してるのは意外だったな。


私は豊前くんの両手をそっと包み、笑顔で答えた。


貴「大丈夫。
先生になっても審神者は辞めないよ。
一緒に過ごす時間は減っちゃうかもしれないけど、私の家はもうここだから」


真っ赤になった顔がゆっくりと綻び、笑顔が戻った。


豊「信じるぜ?」

貴「うん!」


可愛いとこあるんだな。


その時、机の上に置いてあったスマホが鳴った。

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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年12月8日 5時

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