第8話 ページ8
こん「お疲れ様でございます!」
貴「いつもありがとね、こんちゃん」
現世と本丸を送り迎えしてくれるこんのすけに手を振り、玄関を開けた。
貴「ただいまー」
加「おかえりーの、ハグ!」
ギュッと加州くんが抱きしめてくれた。
いい香りが鼻から脳に直接届く。
このハグも慣れたもんだ…
貴「ただいま!」
加「朝ハグしてくれなかったでしょ」
貴「ごめん…」
加「明日は絶対ね」
貴「うん」
豊「おけーり」
今日の近侍の豊前くんも玄関まで来てくれた。
豊「疲れただろ、風呂入っか?」
貴「まだ早いから大丈夫。
課題とかやらなきゃいけないし」
豊「なら部屋まで菓子持ってくよ。
さっき小豆さんと篭手切がくっきい焼いてたんだ」
貴「ほんと!?食べたい!」
加「さっき食べたけどすっごく美味しかったよ」
貴「あ、だから欠片が口元に…」
そう言うと加州くんは顔を真っ赤にして口元を隠した。
冗談だと言うと両頬をグリグリと揉みしだかれた。
豊「主、入るぞ」
貴「うん」
戸を開けてお茶と一緒にお菓子を机に置いた。
綺麗な形のクッキーと、少し歪なクッキーが並んでる。
豊「服は洗濯んとこ入れて来るよ」
貴「ありがとう」
私服を渡すと、豊前くんはそのままじっと見つめ始めた。
貴「どうしたの?」
豊「あ、いや、ボーッとしてた。
じゃあゆっくりしろよ」
豊前くん、昨日もボーッとしてたな…
何かあったのかな。
貴「ねぇ、一緒に食べよう?」
豊「え?」
貴「クッキー」
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年12月8日 5時