第4話 ページ4
貴「……そう、しん…」
タン、と最後のエンターキーを押してそのまま倒れ込んだ。
開放された頃にはもう夜。
何とか間に合ったが、疲労困憊だ。
みんな寝ちゃったかな…
とりあえずお風呂に入りたい気分。
机の横に置いてあるお風呂セットを持ち、浴場に入った。
貴「ふー、気持ちかった〜」
寒い廊下が火照った体を気持ちよく冷やす。
いい気分だ…
誰もいない台所でお茶を飲んでいると、誰かの足音が聞こえてきた。
豊「おっ」
貴「あ、豊前くん、起きてたんだ」
松「主？」
貴「松井くんもか」
松「主はお風呂上がり？」
貴「うん」
飲む？とコップを差し出し、2人にもお茶を注いだ。
貴「眠れないの？」
豊「まぁな」
松「寒くてなかなか寝付けないんだ」
貴「湯たんぽは？」
松「今から出したら真冬が耐えられなくなるよ」
貴「でも寒いんでしょ？
作ってあげるよ」
やかんに水を貯めてコンロにかけた。
貴「部屋にあるでしょ？
持っておいで」
松「豊前は？」
豊「俺はいいよ」
松「ん」
松井くんは湯たんぽを取りに台所を出ていった。
なにやらさっきから豊前くんがソワソワしている。
貴「何？」
豊「え？！いや、別に…
ほら、湯上がりって寒く感じるだろ？
主は平気なのかなって」
貴「まだ平気だよ。
湯冷めしにくいんだ、私」
豊「そ、そうか…」
貴「豊前くんも湯冷めしないタイプでしょ。
ほら、筋肉すごいし」
豊「そんなことねーよ。
筋肉で言ったら桑名に負けるし、もっとすげぇやつもいる」
貴「確かにそれはそう。
でも、私は豊前くんくらいの筋肉量が理想だな」
やかんのシュッシュッと音とともに豊前くんの顔がほんのり赤くなった気がした。
貴「うちの大学の男子、なよなよしたやつしか居ないからさ〜
みんなすごいよね、ストイックと言うかなんというか」
松「持ってきたよ」
貴「あ、おかえり松井くん。
ところで松井くんの筋肉量は？」
松「…何の話？」
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年12月8日 5時
