第20話 ページ20
？「…るじ、起きて」
目を開けると、桑くんと雨くんが私の顔を覗き込んでいた。
桑「ご飯食べる？」
貴「ご飯…」
雨「桑名さんが五目ごはんをつくってくれたんです」
それを聞いた瞬間、私の腹の虫が大きな音を立てた。
向かいで横になってた雲くんが盛大に吹き出す声が聞こえた。
桑「いい音だねぇ」
貴「恥ずかしすぎる」
雲「あっはっはっはっは！！！！」
雨「すみません…私もすこし…笑っ…ふふ」
桑「持ってきてあげるから待っててね」
笑い続ける雲くんの鼻をギュッとつまんだ。
貴「笑いすぎ」
雲「ふびまぜん」
そういえば…
貴「ねぇ、豊前くんは？」
桑「さぁ？見てないけど」
走りに行ってから帰って無いのか…
貴「桑くん、ご飯おにぎりにして！
あと豊前くんのも」
桑「はーい」
私は雨くんと雲くんにお礼を言って、自分の部屋に上着を取りに行った。
桑「はい、おにぎり」
貴「ありがと」
桑くんからおにぎりを受け取り外に出た。
外はもう寒いというより冷たい。
湯冷めしにくいと言えど、これはキツい…
私はマフラーに顔を埋めて畑を通過し、その先にある小さな川に向かった。
そこにはボーッと立ち尽くす豊前くんの姿が。
貴「風邪ひくよ」
つけていたマフラーを彼にかけると、びっくりした顔で振り返った。
豊「主…」
豊前くんはいつも走った後この川に寄り道してから帰ってくる。
だから今回もいると思った。
貴「寒いね。
一緒におにぎり食べようかと思ったけど、さすがに寒すぎるから本丸で食べよっか」
豊「…なぁ」
貴「ん？」
豊前くんは何も言わず、私の目をじっと見つめた。
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年12月8日 5時
