第16話 ページ16
夕飯を食べ終わり、部屋で篭手切くんの書いてくれた構成の本をめくった。
わぁ…私お姫様役か…
大層な役をもらったな…
読んでいくとなんとなくあるお話と酷似していることに気がついた。
これ、ロミオとジュリエットに似てる…
舞台は日本だし内容も変わってるけど構成的にはロミジュリだ。
私が貰った役はお転婆なお姫様。
しょっちゅう城を抜け出し城下町を遊び歩くような明るい子。
貴「へぇ、篭手切くんは私の弟、豊前くんは許嫁、桑くんと松井くんは幼なじみ、雨くん雲くんは家臣か。
なんかほんとに大層な役を貰っちゃったな」
…ん?
結末が書かれてない…
パラパラと探すが、結末だけがすっぽり抜けている。
明日篭手切くんに聞いてみよう。
貴「よし、先に課題やっちゃうか」
と、パソコンを立ち上げた。
貴「ぐ…ねむ…」
時刻は深夜2時過ぎ。
散乱した机の上には筆記用具と電子辞書と、エナドリ。
明日は必須無いし、最悪…休んでしまうのも手ではある。
単位余裕持たせておいて良かった…
少し体を動かそうと部屋を出た。
貴「寒…」
そういえばお風呂はいって無かった。
明日だなぁ。
手すりにもたれ、まだ暗い空を見上げた。
静かで、寒くて、私しかここに存在してないような感じ。
もう冬本番。
私ももうすぐ、未来が決まる。
この峠を超えれば、私は…
長年の夢だった先生になれる。
貴「よし」
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年12月8日 5時