第12話 ページ12
その夜
篭手「そこでりいだあが…」
豊「また俺か!?」
篭手「りいだあには沢山活躍していただきたいので!」
豊「嬉しいけどやれっかなぁ」
篭手切とすていじの話をしていると、窓の縁に肘を着いてふまほを弄る主を見つけた。
主は何となく元気がないように見える。
篭手「主、どうしたんでしょう」
豊「なんか元気ねーよな」
篭手「主ー!」
下から篭手切が呼ぶと、にっこり笑って手を振り返した。
篭手「すまほ、落としちゃいますよー!」
貴「大丈夫だよ〜」
と、返す主だが何回か落としかけている。
また落とすぞ…
篭手「よかった、いつもの主ですね」
豊「だな」
篭手「りいだあは凄いです。
私たちだけでなく、主の変化にもすぐ気づけるなんて」
豊「そうか?」
篭手「ハッ…主とりいだあで恋物語を作るのもアリですね!?」
豊「なんでそうなんだよ!?」
頭の中で既に想像し始めた篭手切を必死に止めた。
篭手「…って感じの恋物語とかどうですかね!」
桑「えぇ〜?最高じゃ〜ん」
松「よかったね豊前、ふふふ」
豊「やめろって言ったよな篭手切」
止めたはずの篭手切の妄想は止まっておらず、なんなら公開されてしまった。
雲「でも面白そうだね。
恋物語って今も昔も人気だし」
雨「そうですね。
短歌でも恋愛ものはよく詠まれてますから」
豊「そもそもなんで俺が…」
篭手「先程の構図を見て閃いたんです!
こう、下から見上げる感じが…」
豊「悪いが俺はやんねーからな…
第一主の許可無しに勝手にそんな役任されても申し訳ねぇよ」
そう言うと松井がスッと手を挙げた。
松「なら僕がやるよ。
ほら、王子顔ってよく言われるから」
桑「誰に?聞いたことないんだけど」
雲「王子様かぁ。
俺はそんな質じゃないから…」
雨「私もどちらかと言えば護衛なので」
松井が、主の相手役…
頭の中で想像したら胸が少し痛んだ。
松「ね、豊前、いいでしょ?」
その笑みはまるで「乗っかってこい」と煽られているような感じがした。
豊「…いいわけあるかよ」
だから煽り笑顔で言い返してやった。
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年12月8日 5時