第1話 ページ1
風に乗って揺れる髪
遠くに居ても届く声
すれ違うとほのかに香る香水
そして、守りたくなる笑顔
桑「ぶーぜーん」
上から桑名の顔がにゅっと生えてきた。
桑「さっきから呼んでるんだけど」
豊「おぉ、悪い悪い」
もう、と頬を膨らませる桑名に軽く謝って立ち上がった。
豊「畑当番な。
ちゃーんと覚えてるって」
桑「覚えてるなら早く来てよぉ」
豊「へーへー」
桑「なーに?また主のこと考えてたの?」
ドキッと心臓が跳ねて足が止まってしまった。
豊「いや、そんな、わけ」
桑「好きだねー」
豊「ちが!そげなんじゃねーって!!
決めつけんのやめろちゃ!」
桑「はいはい、ほら行くよ」
豊「桑名!」
そんなんじゃない、そんなんじゃ…
主は俺を顕現してくれた恩人みたいな人だ。
そんな、邪な気持ち…
貴「あ、豊前くん!桑くん!!」
名前を呼ばれて思わず振り返った。
そこには大きく手を振る主の姿。
貴「畑当番、頑張ってねー!よろしくー!!」
豊「お、おぉ!任せとけ!!」
桑「行ってくるねぇ」
じわじわと胸が暖かくなる。
桑「良かったじゃん」
豊「くーわーなー!!」
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年12月8日 5時