【実況】好きな人できたわ【ky】

不幸の終わり ページ33

…









Aを迎えに行き、家へ招き入れる


『お邪魔します、わー、キヨさんの家久しぶりで緊張する』


初めて来た時とは、違う表情、違う雰囲気のA
二人でソファに座る
やっぱりまだ二人きりの状況には緊張する
やっぱりAの事、好きなんだな…


『あのね、キヨさん』


「ん、どうした？」


『ちょっと、難しい話してもいい？』


申し訳なさそうに俺の顔を覗き込んでくる
断る理由もなく、話を聞く事にした


『今日、社長さんと話してね、一番やりたい事はなんだって、夏までに決めろって言われたの』


「そうだったのか…」


『うん、それでずっと考えてるんだけど、答えでなくて』


「夏までまだ半年くらいあるし、ゆっくりでいいんじゃないか？」


『モヤモヤしたまま、お仕事こなしてくの嫌で』


相変わらずプロ意識の高さが伺える発言
普通の人だったら、金になる仕事だったら、考えず喜んでするだろうに


『あ！！』


「え、なに？」


急に、大きな声を発するA


『そういえば…もっと大事な事、先に言わなきゃでした』


まだ慣れないのか、不意に出る敬語
なんだろう、と思い首を傾げる


『…お兄ちゃん、元気になって、日本に帰って来れるって』


「まじか…、やったな」


なんか、自分の事の様に嬉しくて喜んでて
気づいたらAを抱きしめていた、あ、やべ


「あ、ごめん」


せっかく修復出来そうな関係を、また俺の行動で壊したくない


『キヨさんが、そんなに喜んでくれて、嬉しい』


今までに見た事のない、とびきりの笑顔が、俺へ向けられた
だからか…、だからA、自信もって、生き生きして帰ってこれたんだな









、









(これで、不幸はおしまい)

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