森のこもれび【gt】 (ページ20)

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２０．わがままをページ20

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gn「ほんとにAがらっだぁの妹なのかァ？？」

tr「どう考えてもらっだぁの性格とAの性格が違いすぎて…」

rd「おいどういうことだ？？？」

『ねえねえ兄さん、兄さんは今なんのお仕事をしてるの？』

腰に手を当てぷんぷんしている兄さんの袖を軽くくいっと引っ張るとたらちゃんたちに向けていた視線がこちらへクルリと向いた

瞳を輝かせた兄さんはとても幼く見える

そんな兄さんが可愛くて笑いそうになるのを堪えて兄さんの話を聞く

rd「俺ね、ここの国のお偉いさんなんだよ」

『偉い人って事は、忙しいんだよね…？』

rd「まぁ、うん、そうだね。だけど休みたい時に休めるように有休は使えるよ。でもどうして？」

『…え、っと……。私とぐっちが住んでる家に来て、たらちゃんたちも呼んでお話とかゲームとか、したかったなって……』

有休が使えるとしても忙しい兄さんに自分の欲望を口に出してしまい、途中で止めてぐっちの後ろに隠れた

恥ずかしかったのと、もう一つ

有休があったとしても、私の為に有休を使うより兄さんが使いたい時に使ってほしいと思ったから

それに、私は兄さんと話しちゃいけないと思っている

もしかしたらお母様は兄さんと一緒にいる私が兄さんに悪影響を及ぼさないように捨てたんだと思う

だから、私は兄さんにわがままを言うことは出来ないし、言う資格がない

血が繋がってても、私は家族じゃないんだ──

『……─っ』

gt「……A…？」

きゅ、とぐっちの服の袖を掴む

すると、俯いていた私の頭をわしゃわしゃ撫でられ髪をボサボサにされてしまった

ビックリして顔を上げるとしてやったり、という表情をひているぐっちに

私の方へ手を伸ばす兄さんの姿

rd「俺、Aの家…っていうかぐちつぼの家か。まぁそっちの家に遊びに行くよ」

『…！』

rd「人里に姿を現したぐちつぼからAについて少し話を聞いたけど、Aはどうやら自分のことは二の次みたいでね！お兄ちゃんである俺が！！一肌脱ぎますよ！」

『………でも、兄さんの有休は…』

rd「もー、"「私の為に使う有休は勿体ない」"とか思ってるんでしょ？」

『！！』

rd「俺はね、かわいいかわいい大事な妹の為なら有休使えるぞー？」

『でも、お父様とお母様が知ったら……』

rd「………もう、いないよ」

『………ぇ？』