○○太宰と□□彼女【文豪ストレイドッグス】【短編集】

10000hit記念！【カゲロウデイズ】太宰と彼女(死ネタあり) ページ18

太宰side

今日は8月15日。
午後12時30分くらいだ。
病気になってしまいそうなほどの眩しい日差し
私は特にする事もないので、
仕事中のAと駄弁っていた。

太宰｢今日は天気がいいね、A。｣

A｢そういえば、
太宰さん、なんでついてきたんですか！
私の依頼ですよ！今から現場に行くので
太宰さんは探偵社に帰ってていいですよ！｣

太宰｢だってすることないんだもの。｣

A｢しょうがないですねぇ…。
この事件の現場まで後少しですよ！
頑張りましょう！｣

太宰｢あー暑い。
Aは涼しそうな顔してるけど、
暑くないのかい？｣

A｢暑いですよ。でもまぁ、夏は嫌いかな｣

資料を眺めながら
Aはふてぶてしく呟いた。

その途端、強い風が吹く。
Aの手からするりと抜けた資料。

A｢資料が飛ばされる！｣

そう言って、資料を追いかける。
Aは信号機が見えていなかったのか…
その先は赤の信号機。

太宰｢A！まだ赤だ！｣

横から来る、大型トラック。


その瞬間、Aとトラックが衝突した。

太宰｢A！｣

周りには赤の飛沫が飛び散っている。
Aの香りと血の匂いが混ざって
むせ返りそうになった。

少し遠くでユラァと揺れてる陽炎が、
｢嘘じゃないぞ｣
って私を嘲笑う。

夏の水色と
掻き回すように鳴く蝉の音に全て眩んだ。

_______________

目を覚ました。時計の針が部屋に鳴り響いてる

8月14日の12時くらい。
今日はやけに蝉の音が煩い。

太宰｢Aでも誘って遊びに行こうかな｡｣
_______________

A｢太宰さん、また邪魔しに来ましたね。｣

ツーンっと言うA。
遊びに誘ったら
｢仕事があるんで。｣
と、断られてしまったため、
私はAについていってる。

現場に向かう途中、思い出した。
昨日見たあの夢を。

太宰｢A、もう帰ろう。｣

A｢えっ、なんでですか？｣

太宰｢いいから！｣

Aを引っ張って帰る。
何故か周りの人達は皆、上を見上げてた。

刹那、工事中の鉄柱が落ちてきた。

太宰｢A！早く行こう！此処は危ない！｣

Aを連れていこうとするが動かない。

Aを見て唖然とした。
落下してきた鉄柱が
Aを貫いて突き刺さっていた。

周りの劈く悲鳴。そーっと耳に入る風鈴の音。
その音達は木々の隙間で全て空廻り。

なんだかわざとらしい陽炎が
｢夢じゃないぞ。｣
って私を嘲笑っている。

眩む視界。
君の横顔は笑っている様な気がした。

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