28個目 ページ30
・
人の温もりを感じる
最近多いな…、
一二三や神宮寺先生…それに乱数。
みんなが私に温もりをくれる。
とても暖かくて…優しい。
こんな私でも生きていていいのだろうか。
こんな私を誰か必要としてくれているのだろうか。
私は【生きている意味】があるのだろうか。
・
この【碧棺左馬刻】も私に優しい温もりをくれた。
この人は…悪い奴ではない。
確かに人は殺してきているだろう。
だけどそれにはきっと意味があるはず。
『殺さない』
そんな考えが頭をよぎった。
いいのか…?
そんな簡単に慈悲を掛けても。
もしかしたらこいつもアイツらと同じかもしれない
いつかの私みたいに裏切られるかもしれない。
そんな恐怖もある。
だが、左馬刻は見ず知らずの私に優しい言葉を
掛けてくれた。
私が彼を【殺さない】には充分の理由だった。
だけど。
これは仕事放棄に値する。
依頼人には断りを入れるか…?
でもいつもは人なんて普通に殺している。
なのにコイツだけ殺さないと言うのも…おかしな
話だ。
『まぁ。いっか…全ては私次第だから。』
左「あ"ぁ?なんか言ったか?」
『んーん。なにも。』
私は左馬刻の背中に掛けていた手を下ろして、
少しだけ距離をとった。
波はただただ冷たくて、潮風は泣いたあとの目に
よく滲みた。
私は靴と靴下を履き、バイクのヘルメットに
頭を入れた。
『…さっきはありがとう。私…何でも屋みたいな
事してるから何時でも連絡してきて。』
私はそういうと左馬刻に名刺を投げ渡した。
左馬刻はそれを軽く片手で受け取ると、
名刺をまじまじと見つめ、少しばかり嫌そうな顔を
した。
そんな左馬刻を置いて私は、真っ赤なハーレイに
エンジンをかけその場を後にした。
・
「…チッ。何でも屋かどっかのクソダボと一緒じゃ
ねぇーか。」
318人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めぐみん - めっちゃ気に入りました!次の更新期待していまーす! (2019年1月14日 10時) (レス) id: 783d8186db (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - とっっても面白いです…! 続きが気になります! もっと伸びるべき小説だと思います! 更新これからも頑張って下さい! (2019年1月2日 21時) (レス) id: 72bc1d245d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミオピ | 作成日時:2019年1月1日 0時