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15個目 ページ17








しばらく歩き回った後、私達はクレープを

食べることにした。


やはり渋谷だからだろうか、クレープ専門店など

山ほどある。


どこもかしこも行列ができていて…。

多分それはクリスマスだからかな。









「オネーサン!!はい!!これ!持てる?」









私が待っていたイートインスペースに、乱数が

少々息を切らしながらやってきた。


その手には見るからに重そうなクレープが2つ

握られている。


私はそれを笑顔で受け取り、財布を出すために

カバンに手をかけた。




すると乱数は「あぁ!オネーサン出さなくて大丈夫

だよ?そうゆうのは…男の子に花を持たせてくれ

ないかな…。」と私を止めた。




この場は乱数の言うことに甘えさせてもらうことに

しようか。


私はいかにもJCとJKが好きそうなクレープを

恐る恐る口に運ぶ。

口の中で甘さが一気に広がり、とても濃厚に

感じた。


















最後にクレープを食べたのはいつ頃だろうか…。

そうだ、きっと小学生ぐらいの頃だろう。


両親と渋谷に初めて来てとても楽しかった思い出を

思い出した。



その時は私の家は貧相でクレープなんて買えるほど

裕福ではなく、


ただ一日一日をどうやって食い凌ぐかを毎日考える

日々だった。



それなのに両親は私にクレープを買ってくれた。

自分たちの分は買わずに、私にだけ。





その時のクレープの味は今でも覚えている。




ただただ甘ったるくて…だけどそれがとてつもなく

美味しく感じた。







このクレープはあの時食べたクレープとそっくりだ。

少し思い出に浸りつつ、クレープを食べ進めて

行った。






私が口にクレープを運ぶたんびに乱数が、嬉しそう

に私を見つめていた。

その顔は嬉しそうに…というよりかは愛おしそう

に…。









『…あれ?』









突然顔の上に、1粒の水滴が落ちてきた。

そう思った途端。突然に雨が降り始め、私と

乱数は慌てていた。


すると乱数は、私に自分の緑色のパーカーをかけ、

私の手を引き走り始めた。









「僕の事務所、すぐ近くにあるからそこで

雨宿りしよ!!」


『は、はい!!』









私達は雨の中手をつなぎながら走った。

ただ雨から逃げるように私達はただ走った。



すると、黒い建物にたどり着いた。

見た目は乱数のイメージとは程遠い気がした。

だが、彼の裏の雰囲気とは相性がバッチリ。





私達は急いで乱数の事務所に駆け込んだ。

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めぐみん - めっちゃ気に入りました!次の更新期待していまーす! (2019年1月14日 10時) (レス) id: 783d8186db (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - とっっても面白いです…! 続きが気になります! もっと伸びるべき小説だと思います! 更新これからも頑張って下さい! (2019年1月2日 21時) (レス) id: 72bc1d245d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミオピ | 作成日時:2019年1月1日 0時

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