26話 ページ26
血の足りないせいで足はふらつき目の前が紫色に染まる。
だけど私は足をとめなかった。
行かなきゃ……フロイドに会いたい
その思い出必死に走った。
砂浜に辿り着いた頃には海は綺麗な朱色に染っていて
辺りを見渡せば彼は水に濡れながら夕焼け空を見上げていた。
貴「フロイド……」
呼びかけて気がついた。よく見れば彼の体は透けてる
朱色に融けていきそうな彼
まさか…泡に…？！
貴「だめ！！行かないで！！」
濡れるのも気にせずに彼の元へばしゃばしゃと足を進めた。
すると振り向いた彼は優しく笑った。
『さようなら、A……ずっと…ずっと大好きだったよ』
初めて聞いたその声は、懐かしい声で。
失われたはずの声はきっと天からの最後の慈悲
『これあげる。』
彼は自身のピアスを外して私に渡すと最後に魔法をかけた。
痛みもなく私の耳にはピアスが付いていた。
『俺の事、忘れないでね…。』
優しく微笑んだ君があの笑顔と重なって
貴「フロイドっ！！！貴方は……っ 」
遠い記憶を思い出そうと手を伸ばすも泡になって消える
鱗が剥がれるようにキラキラと彼は泡になって消えて行く
貴「だめっ！！消えちゃダメ！！」
天に昇ろうとするその泡を必死に抱きしめる。
貴「……フロイド……っ！！」
だけどその手は空をかいて……
ばしゃんっ
伸ばした手は力なく水に叩きつけられた。
貴「うぅっ……フロイド……どうして………っ！！！」
目から溢れるその涙が海に波紋を作っては融けていく。
そんな中夕日はぽっかりと空に大きな穴を開けて
私の記憶を奪っていく
貴「っ！……あれ………貴方の名前が分からない。」
さっきまで一緒にいたのに……名前を呼んでいたのに……。
貴「あれ……私何してたっけ……。」
あれ……。なんでだろう。何も覚えてないや。
……また涙が……。
ふと右耳に光る青いピアスを撫でる。
『……痛いよ……』
ここは君がいない世界。
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れいな(プロフ) - ヒスイさん» (ヾﾉ･ω･`)ｲｴｲｴ 寧ろヒスイさんの小説個人的に大好きなので何回も読んでます！これからも頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2021年11月23日 1時) (
レス) id: f1a33a9189 (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - れいなさん» れいな様！とっても嬉しいコメントありがとうございますっ！！！更新頑張りますね！！ (2021年10月31日 9時) (レス) id: a217f5439d (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 切ねぇ！けど､めっちゃ好き！久しぶりにキュンとした！続き楽しみにしてます！ (2021年10月30日 19時) (レス) id: f1a33a9189 (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - よしかさん» よしか様！嬉しいコメントに応援ありがとうございます！これからも更新頑張ります！！！ (2021年10月16日 20時) (レス) id: a217f5439d (このIDを非表示/違反報告)
よしか - こんにちは！これやばいです。応援しています (2021年10月16日 16時) (レス) @page15 id: 509695be84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒスイ | 作成日時：2021年10月13日 9時
